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( 2011.03.17 )
 
 
 


 ただ、幾人かの政治家の顔を思い浮かべてみると、高齢で元気な人が他の職業より多い気がする。 実際、職業別に平均寿命の統計を取ると、政治家はかなり高位を占めるという。 一方、消防士や警察官のように、平均寿命が短いわけではないものの、ときに生命の危険を伴う仕事もある。

 いまこの人たちは、誰からみても、 「命がけ」 の仕事に取り組んでいる。 爆発事故や放射能漏れを引き起こした福島第1原子力発電所の現場で、東京電力や協力会社の職員ら、事態収拾に当たっている人たちだ。 大量の放射線を浴びる恐怖と闘いながら、原子炉を冷やすための注水作業を続けてきた。 肉体的にも精神的にも厳しい状況だろう。

 政府内では、陸上自衛隊の大型ヘリコプターで、上空から散水する案が浮上している。 きわめて過酷な任務だ。 平成11年に茨城県東海村の核燃料加工会社JCOで起きた臨界事故では、現場に乗り込んだ原子力安全委員の指揮により、社員18人が被曝覚悟で突入して事故を終息させた。

 今回は事故発生後、自ら志願して、福島第1原発の現場にやってきた人もいる。 約40年にわたり原発を運転し、現在は別の電力会社で定年間近という男性もその一人だ。 原発の未来のために、やむにやまれぬ気持ちだったという。

 安全な場所にいる人間に限って、 「命がけ」 といった勇ましい言葉をもてあそぶ。 どうか現場のみなさん、何より命を大切にして、困難な務めを果たしていただきたい。


菅総理へ
 
  
   



( 2011.03.16 )
 

 米メディアのあいだで、相次ぐ爆発と深刻な放射性物質( 放射能 )漏れに苦しむ福島第1原発に残って作業を続けている50人の作業員への注目が急激に高まっている。 16日付米紙ニューヨーク・タイムズは 「最後の防御」 と題して50人を特集したが、驚くべき自己犠牲の精神に対する称賛の裏側には、この国家的危機に際しても他の電力会社や国際社会の総力を結集できずに手厚い作業体制を敷くことができない日本の対応への疑問やいらだちも透けてみえる。

 「日本を核の大惨事から救う最後の頼みの綱」。 ニューヨーク・タイムズは50人をこう表現した上で、 「彼らは迷宮のように機器が入り組み、停電で真っ暗になった施設内を、懐中電灯だけを頼りに、防護服とマスクに身を包んではいずり回り、海水注入などの作業にあたっている」 と、その献身ぶりを伝えた。

 「だが、被曝限度を超えれば作業員は現場を離れなければならない。 さて、どうするのか?」。 同じニューヨーク・タイムズの14日付記事は恒常的な人員不足の実態をこう指摘する。

 東電は現場に残った作業員の身元の詳細を明らかにしておらず、同紙は 「フェースレス50( 顔のない50人 )」 と表現。 厚生労働省が15日、同原発での緊急作業時に限り、放射線の被曝限度を現行の100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げたことを挙げて、「暗黙のうちに自分を犠牲にすることを求められた人々だ」 とした。

 日本時間の16日に枝野幸男官房長官が会見で作業員の一時待避を発表した際には、米CNNのコメンテーターが 「通訳ミスであってほしい。 現場から立ち去るなどあってはならない」 と取り乱した様子をみせるなど、すでに世界が息をのんで見守る対象になっている。

 だが、 「50人」 の自己犠牲に限界があるのは明らかだ。 同紙は、東電は 「新たな志願を要請しているかもしれない」 との推測を述べることで、退職した技術者や、ほかの国内電力会社からの人員招集による“決死隊”の結成を暗に促した。 米CBSテレビは 「死をも恐れぬ50人」 と勇気をたたえつつも、 「作業が長引けば、現在の50人に代わってリスクに向き合う覚悟を持った次のチームを見つけるのはきわめて難しくなる」 と指摘している。


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