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( 2011.04.13 )

首相発言として伝わり波紋 全村避難の村長 「これが政治家の言葉なのか ……」 と涙


 「10年住めないのか、20年住めないのか ……」

 菅直人首相が13日、官邸で松本健一内閣官房参与と会った際、東京電力福島第1原発の半径30キロ圏の避難・屋内退避区域について、少なくとも10年間は居住が困難との認識を示したとの情報が駆け巡った。 原発被害の深刻さを示す衝撃的な発言だけに、情報は一気に広がった。 首相は同日夜、公邸に戻る際、記者団に 「私が言ったわけじゃありません」 と否定した。

 情報の発信源は松本氏が首相との会談直後に行った記者団への説明。 松本氏は 「10年住めないのか、20年住めないのかということになってくると、そういう人々を住まわせるようなエコタウンを考えなくてはいけないということを言っていた」 と発言。 時事通信が首相発言として速報した。

 波紋は全村避難の対象となっている福島県飯舘村にも広がった。 住民への説明会の途中で情報に接した菅野典雄村長は 「少しでも早く戻れるようにするのが政治家の仕事なのに、これが政治家の言葉なのか。 全く悲しくてならない。 直ちに抗議する」 と涙ながらに訴えた。 住民からは 「そうだ」 との声が上がった。

 このため首相は、松本氏に電話をかけて記者団に情報を否定させた。 ただ、松本氏は、長期間にわたって原発周辺が居住困難になる見通しを首相に説明したことは認めた。 その上で移住先として内陸部に5~10万人規模のエコタウンを建設する案を示し、首相も賛同したことを明らかにした。





( 2011.04.14 )


 菅直人首相と松本健一内閣官房参与との会談で、福島第1原発周辺地域に 「10年、20年住めない」 とのやり取りがあったことを巡り、14日の参院内閣委員会で、野党議員が枝野幸男官房長官を追及した。 町の一部が 「計画的避難区域」 に指定されている福島県川俣町の古川道郎町長も同日、官邸に菅首相を訪ね、 「みんなが気にしている時にああいう発言は困る」 と苦言を呈した。 首相は 「私は言ってない」 と改めて発言を否定した。

 小野次郎氏( みんな )は参院内閣委で 綸言りんげん汗のごとし、と言うように、トップの発言を後で訂正しても元には戻らない」 と批判。 岡田広氏( 自民 )も 「国民の不安をさらに広げる。 危機管理の視点が抜けている」 と指摘した。

 枝野氏は 「首相が何を考えているか、( 間接的に )伝わった時に誤解され、国民に心配をかけないよう、十分留意しなければならない」 と述べ、首相自身も言動に注意する必要があるとの認識を示した。





( 2011.04.14 )



 「報告は受けていた」

 枝野幸男官房長官は13日の記者会見で、原子力安全委員会から3月23日時点で、今回の原発事故について 「レベル7の可能性がある」 と報告を受けていたことを明らかにした。

 米国をはじめとする国際社会が 「日本政府と東京電力は原発事故のデータを公開しない」 と疑念を深めていたなか、半月以上も事態を放置・隠蔽していた ことになる。 枝野氏は 「不確かなことを政府見解として報告していいかどうかの問題もある」 と釈明した。

 第1原発に関しては、気象庁が大震災翌日の3月12日から、放射性物質の拡散予測を連日行い、IAEA( 国際原子力機関 )に報告しながら国民に公開していなかった ことが発覚している。 菅政権には、隠蔽体質が染み付いているのか。

 被災者への気配りも、心配りもゼロだ。

 菅首相は13日午前、官邸で松本健一内閣官房参与と30分ほど会談。 その後、松本氏は記者団に囲まれ、 「10年住めないのか、20年住めないのかということになってくると、そういう人々を住まわせるようなエコタウンを考えなくてはいけないということを言っていた」 と明かしたのだ。

 原発事故では、10数万人が避難生活を余儀なくされ、住居や仕事、将来の不安を抱え続けている。 事態収束のメドもなく、被災者に何の説明もないなか、菅首相が 「10年~20年住めない」 と語ったとすれば、無責任かつ非情すぎる。 時事通信などが、首相発言として報じて大騒ぎになった。

 その後、松本氏が 「私の発言だ。 菅首相は私と同じように臆測( 認識 )しているかもしれないが、首相は言っていないということだ」 と記者団に釈明した。

 ともかく、菅政権への信頼は日に日に損なわれている。

 菅直人政権が国民や国際社会の信頼を裏切り続けている。 福島第1原発事故を3月末には 「レベル7」 相当と認識していながら、隠したかったのか半月以上も事態を放置していた。 また、菅首相が松本健一内閣官房参与と会談した際、第1原発から半径30キロ圏の避難・屋内退避区域について、被災者への説明もなく 「10年~20年は住めない」 といった会話がされていたという。 一体、どうなっているのか。





( 2011.04.15 )



 菅直人首相( 64 )と評論家の松本健一内閣官房参与( 65 )の会談で福島第1原子力発電所周辺に 「10年住めないのか、20年住めないのか、ということになってくる」 と話し合われ、 「エコタウンへの移住」 が合意された問題への波紋が収まらない。




 そんな中、 「計画的避難区域」 として村民全員の避難が求められることになった福島県飯舘村に住む102歳の男性が12日に自殺していたことが分かった。 村によると、男性は家族と避難計画について話し合っていたといい、村外へ避難することを悲観した可能性もあるとみている。 男性は村内の最高齢者だった。

 「10年、20年住めない」 となると、お年寄りはますます希望を持てなくなる。

 原爆が投下された広島では3日後に路面電車が走り始めた。 長崎では6日後に精霊しょうろう流しが行われている。 「10年、20年住めない」 の根拠は不明だ。

 福島県選出の玄葉光一郎・民主党政調会長( 国家戦略担当相 )は14日の拡大政策調査会役員会で 「憤りを感じている。 心の痛みが分かる政治をしなければならない」 と批判。

 「仮にそういうことが本当なら、科学的な根拠をもって、しかるべき立場の人がしかるべき時期に万感の思いを込めて、土下座をして話をしなければならない重大な問題だ」 と述べた。

 「エコタウン」 は首相が1日の記者会見でぶち上げた構想で、津波被害を受けた地域の高台に環境に配慮した町を造るというものだが、 「10年、20年住めない」 原発周辺に造ることはできない。 住民は、古里から遠く離れた人工都市への 「強制移住」 となる。




 首相は松本氏に訂正させ、 「10年、20年住めない」 は自分の発言ではないと否定したが、将来の生活への強い不安を抱いている 地元に何の説明もしない中、菅政権がそうした議論を行っている ことに、地元から批判の声が上がっている。

 13日、住民への説明会の途中で情報に接した飯舘村の菅野典雄村長は 「少しでも早く戻れるようにするのが政治家の仕事なのに、これが政治家の言葉なのか。 全く悲しくてならない。 直ちに抗議する」 と涙ながらに訴えた。 住民からは 「そうだ」 との声が上がった。

 首相の不適切な発言が伝わってくるのは、これが初めてではない。 震災翌日に第1原発を視察するにあたって、原子力安全委員会の班目春樹委員長に 「原子力について少し勉強したい」 と語った。 3月16日に笹森清内閣特別顧問と会談した際には 「東日本がつぶれることも想定しなければならない」 と述べたという。

 一部が計画的避難区域とされた川俣町の古川道郎町長は14日、首相官邸を訪れた際、首相に 「避難というのは大変なこと。 首相自身から 『20年は戻れない』 なんてとんでもない」 「現場の苦労がどれほど分かっているのか」 と強く抗議した。

 首相は 「私は言っていない」 と釈明した上で計画的避難について 「国が全責任を持って取り組む」 と述べるだけだった。

 





( 2011.05.03 )

 

 小佐古敏荘こさこ・としそう東大大学院教授が東京電力福島第1原発事故への政府対応に抗議して内閣官房参与を辞任した問題で、菅直人首相は2日の参院予算委員会で 「以前に面識はなかった」 と述べ、事前に会わずに参与に任命したことを明かした。

 首相は、民主党の空本誠喜そらもと・せいき衆院議員から推薦されたことを認めた上で「大変高い知見をお持ちの方だと聞き、推薦者の見方を尊重して任命した」と説明した。

 小佐古氏の慰留に関して 「私は議論に同席したり詳しく関わっていたわけではない。 細野豪志首相補佐官に 『話をしてくれ』 と依頼した」 と語り、細野氏に任せっきりだったことを認めた。 さらに 「私は予定を決めてお会いするかどうかを決めようと思ったが、結果的に辞表を置いていかれた」 と打ち明けた。





( 2011.05.03 )
班目原子力安全委員長


 福島第1原発の事故を受け、文部科学省が定めた校庭の利用基準 「年間被曝ひばく線量20ミリシーベルト以下」 をめぐって与党内からも見直し論が出る中、政府の原子力安全委員会( 班目春樹委員長 )は2日、定例会議を開いたが、同問題はまったく議題とならなかった。また、政府の対応を批判した小佐古敏荘東大大学院教授の内閣官房参与辞任について、班目委員長は会議終了後、 「新聞報道しか知らないが、正直に言って小佐古氏が何に憤慨しているのかわからない」 と述べた。

 同委員会は先月19日、福島県の小学校などでの屋外活動における積算放射線量の基準について文部科学省から助言要請を受け、 「年間20ミリシーベルトまで」 と回答。 小佐古教授は先月29日の辞表提出時、 「( この数値を )基礎に毎時3.8マイクロシーベルトと決まったが間違いだ」 と指摘した。

 会見した班目委員長は 「子供たちが年間20ミリシーベルトを浴びても良いと言ったことはない。 ( 被曝量を )可能な限り低くしていくのが原則だ」 とし、文科省が同委員会に報告した同県内の小学校などでのモニタリング結果についても 「われわれは満足していない。 『毎時3.8マイクロシーベルトを下回ったから校庭を使わせる』 との非常に安易な報告と受け止めた」 と述べ、文科省側への不満を示した。

 同委員会は文科省への回答にあたって、正式な会合を招集せず、助言要請からわずか約2時間後には 「妥当だ」 との助言をまとめた が、議事録も作成していない。

 こうした同委員会の手続きについて、小佐古教授は 「法に基づく手順遂行に基づく判断に欠けたところがあるように見受けた」 と指摘しているが、同委員会事務局は 「法律に基づかない助言であり、手順遂行に問題はない」 と話している。

 班目委員長は 「非常にせっぱ詰まった状況で会合を開くよりも、できるだけ早く回答すべきだと判断した」 と弁明したが、 「事故発生から数十日が経過し、いつまでも緊急時だというのは良くない。 助言については議事録を残そうとの方針転換はしてきている」 と付け加えた。


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