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( 2011.04.14 )

 


 ソフトバンク・孫正義社長を始め多くの企業人、芸能人、スポーツ選手が名を連ねる 「義援金」 報道に、政治家はほとんど登場しない。 政治家の寄付は公選法で禁止されているから仕方ない? いや、それはとんでもない 「誤解」 だった。

 3月24日、福島県相馬市を激励に訪れ、風評被害が広がる地元産のシイタケやトマトを食べて見せた麻生太郎元総理。 だが、
 「麻生個人の名前で寄付するのは難しい。 たとえば日本赤十字社に寄付して、その金が( 地元 )九州に回ると公選法に抵触する惧れがあるからです」 ( 麻生事務所 )
 政界を代表するもう一人の“資産家”鳩山由紀夫前総理の事務所も、
 「後援会を通じて8月末まで義援金と支援物資を募っていて、3月分はすでに党本部に送りました。 ただ、鳩山個人の義援金については完全にプライベートな事柄なので、拠出したか否かも含め、お答えできません」
 と煮え切らない。 3月末、国会議員の歳費を300万円( 毎月50万円×6ヵ月 )削減して復興財源にあてる法改正が両院でスピード可決されたが、それに先立って、民主党・岡田幹事長がロにしたのも、
 「国会議員は公職選拳法で寄付ができないので、議員歳費から差し引く形で震災対策に役立てていく」
 という言葉。 だが改めて総務省に問い合わせると、意外な答えが返ってきた。
 「たしかに、公職選挙法199条の規定によって、議員個人が選挙区内に義援金を贈ることはできません。 支援物資であっても同じです。 日本赤十字社への寄付も、ご自身の選挙区にそのお金が回り、法律に抵触する惧れがありますね」
 同省自治行政局選挙課の担当者が説明する。
 「ただ、これは選挙区内で顔を売るためにお金を出す“地盤培養行為”を取り締まる規定。 ですから、寄付先がご自身の選挙区内でなければ、個人名で寄付しても全く問題ありません
 福岡選出の麻生さんも北海道選出の鳩山さんも、何の憂いもなく東北・北関東の被災地に寄付できるのだ。


る!

 それだけではない。 選挙区内への寄付を実質的に可能とする“裏技”もある。 選挙区選出の議員の大半は、所属政党の選挙区支部長を務めているが、
 「政治家が政党支部へ寄付する行為は、選挙区内であつても認められています。 一方、その政党支部名で選挙区内に寄付することも違法ではありません」 ( 同 )
 つまり、議員個人が一旦、政党支部に寄付を行い、その政党支部が義援金を出す形をとれば、選挙区への支援は可能。 全国が選挙区である参院比例代表の選出議員も、この方法なら被災地に義援金を送れるのだ。
 「まあ、政治家が個人で義援金を送らないのには、パフォーマンスと思われるのが嫌、という理由もある。 金額の問題も厄介で、10万20万だと“たった、それだけか”と逆に批判も受けかねませんし」 ( 政治アナリスト・伊藤惇夫氏 )
 そんな事情があるにせよ、
 「議員歳費が党運営の命綱になっている、『たちあがれ日本』 などのミニ政党には大打撃」 ( 政治部記者 )
 という一律300万円の歳費削減よりも、“出すも出さぬも、金額も人それぞれ”の寄付行為のほうが、よほど 「義援金」 というものの趣旨に適っていると思うのだが。


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