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 東日本大震災では福島第1原発が大自然の巨大パワーに翻弄され続けている。 3年前の中国・四川大地震のときも、人間の営みがいかにはかないものであるか を痛感した。 中国が策した北京五輪の国威発揚も狡猾こうかつな対日戦略の積み上げも大地の一撃であっけなく崩れてしまった。

 こちら福島第1原発は民生用の発電だが、あちら四川では、暗号名 「プラント821」 が一部破壊されたとの疑いがもたれた。 暗号名があるのは、かの地に 中国の核弾頭製造に関する複合施設がある からだ。

 中国が詳しく語るはずもないが、米国はスパイ衛星で被害状況を探っていた。 仮にもチェルノブイリ原発事故のような爆発なら、地震災害が放射能汚染という二次災害を引き起こす。

 チェルノブイリ原発事故では、北欧の人々が放射能の雨が降ったと騒ぎ出したことが発覚のきっかけになった。 ソ連は沈黙ののち、世界中にパニックが広がってようやく事故を認めた かくのごとしで、全体主義の国は事故をヒタ隠しにするところに特徴がある。

 東日本大震災の発生当初、米国メディアは菅直人内閣の 情報伝達のお粗末さを攻撃 した。 すぐに、それが 情報の戦略的秘匿ではなく、単なる無能さにある と気づいた らしい。 情報の出し惜しみにあきれたが、やがて無視する。

 それでも、米軍は地震発生2日後に、空母戦闘群を被災地沖に派遣し、捜索活動や輸送の 「トモダチ作戦」 を展開した。 各国の救難チームが帰国しても、復旧作業を継続している。

 米国が9・11を境に変わったように、日本は3・11を境に誰が友で、誰が敵なのかを明確に認識するようになった。 いわば大震災が友と敵を仕分けした。

 ロシア軍は情報収集機をたびたび飛ばし、日本領空に接近する。 そのたびに、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進することになる。 ロシアは放射能測定などととぼけるが、チェルノブイリ事故に頬かぶりする国にそれをいう資格はない。 だが、松本剛明外相はロシアからの救援チーム派遣があり、 「支援の気持ちを信じる」 と抗議をしない。 すると、ロシアは 「続行する」 と図に乗ってきた。

 “甘い国”と“あくどい国”の妙な取り合わせである。

 揚げ句に、ロシア国営ラジオ 「ロシアの声」 は盛んに、福島第1原発は人災であると宣伝している。 ロシアが5分で決定できることを、日本はムダに時間を浪費したと批判する。

 ロシア原発は安全で、 「日本の原発事故は管理体制によって生じた人災だ」 と宣伝する。 日本の原発が尻すぼみになればロシア製に商機ありとみたか。

 中国の支援もまた、中東発 「ジャスミン革命」 から中国人の目をそらす狙いが込められている。 この間も、尖閣諸島沖の自衛艦に艦載ヘリを異常接近させていた。 食えない人々だ。

 近隣の腹黒い国々は、 天災であれ戦災であれ、 日本のクライシス・マネジメントの能力を探る。 それが有事に直結するからだ。





( 2011.04.17 )



 韓国が不法占拠している竹島( 韓国名・独島 )付近の日本領海内で計画中の 「総合海洋科学基地」 建設工事の落札が終わり、近く基礎工事が始まることが分かった。

 基地は竹島の北西約1キロに建設され、韓国政府が300億ウォン( 約22億円 )かけ、2013( 平成25 )年の竣工しゅんこうを目指している。 不法占拠の既成事実化を狙った不当な工事である。

 しかも、日本は今、東日本大震災の復旧・復興に向けて悪戦苦闘している最中だ。 そのような時期に工事を始めるとは、隣国としての信義にももとる。

 松本剛明外相は衆院外務委員会で、ソウルの日本大使館を通じて韓国に抗議したことを明らかにし、 「韓国の竹島への措置は到底、受け入れられない」 と強調した。 当然である。

 韓国は大震災直後の先月中旬にも、竹島で大型ヘリポートの改修工事に着手し、5月末に完了する予定だ。 これも隣国の不幸に乗じた行為と言わざるを得ない。

 また、韓国の金滉植首相は今月7日の韓国国会で、竹島について 「状況によっては、軍隊が駐屯する案も検討する価値がある」 と述べた。 この発言も見過ごすわけにはいかない。

 現在、竹島には、韓国の警察官による警備隊が常駐している。 これ自体、不法な行為だが、さらに韓国軍が駐屯し、軍事基地化すれば、日本には少なからぬ脅威になる。 厳重な警戒が必要だ。

 一方、自民党の 「領土に関する特命委員会」 ( 委員長・石破茂政調会長 )は海洋基地建設計画の即時中止を求める決議をまとめた。 超党派の 「日本の領土を守るため行動する議員連盟」 ( 会長・山谷えり子自民党参院議員 )も、韓国に強く抗議し、建設計画の撤回、着工済み工事の即時中止などを求める決議を了承した。

 国会議員が固有の領土を守る運動の先頭に立つことが重要だ。

 大震災後、韓国からは100人を超す救助隊が駆けつけ、原子炉内の核分裂を抑えるホウ酸などの支援も受けている。 また、中国や北朝鮮の核の脅威に対し、日本と韓国は安全保障面で連携を強めなければならない関係にある。

 だが、それらのことと領土問題は切り離して考えるべきだ。 韓国の善意には感謝しつつ、主権にかかわる問題では譲らない断固とした対応が必要である。


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