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( 2012.06.01 )




 東京電力の社員に2012年冬のボーナスとして1人あたり平均約40万円が支給される可能性が出てきた。 東電は、政府が11兆円の公的資金を資本注入 して実質国有化することを受けて、今夏の賞与を見送るが、今冬以降は未定としていた。

 ところが、家庭用電気料金の値上げの原価を精査 している経済産業省の電気料金審査専門委員会で、今冬以降の3年間のボーナスに相当する費用として約732億円を人件費に計上つまり、業績が赤字であろうが、向こう3年間はボーナスを支給するというのだ




 東電が計上したボーナス相当額の内訳は、今冬が147億円、13年度が294億円、14年度は291億円。 12年度は3万7254人が人件費の算定対象となっており、単純に計算すると今冬は1人あたり平均約40万円のボーナスが支給されることになる。 また内訳によると、13年冬には倍増される見通しになる

 5月29日の電気料金審査専門委員会で、東電の高津浩明常務は 「福利厚生なども大幅に削減しており、事故のあった福島第一原子力発電所の廃炉や電力の安定供給の技術とそれを担う人材の確保の観点から現行水準で理解してほしい」 と説明した。

 東電のいう 「現行水準」 とは、原発の事故後に管理職が年収25%、一般社員が20%の削減を実施。 社員全体の年収で平均556万円まで抑制した、これを指している。 東電は、 「新たな人材の育成のためにも、人材の流出を防ぎたい」 と強調。 年収ベースでこれ以上の削減はしない方向で理解を求めている。

 しかし、これまでの会合でも、委員からは 「人件費のカット率は、実質的に経営が破たんしている企業の合理化策としては低すぎる」 との厳しい声があった。 それにもかかわらず、ボーナスにかかる経費を計上してくるのだから、 「厚顔無恥」 も甚だしい。

 経産省には、
「国民に電気料金の値上げをお願いしておいて、その一方で社員にボーナスを出すなどということを認めるべきではない」
「公的資金を入れて生き残った企業の社員に、なぜボーナスを支払う必要があるのか」
などの声が寄せられているという。

 ネットの掲示板などにも、
「やっぱり大企業は優遇されてるよね。 そこらの中小零細企業なんか、もう何年もボーナスなんか出てないよ」
「倒産した会社なんだから、雇用があって給与が出るだけでも恵まれてるってことが、わかってない。 結局のところ、社員もダメだ」
と、厳しいカキコミが見られる。




 
 公的資金を受け入れている企業といって思い起こされるのが、りそなホールディングス( HD )や日本航空( JAL )だ。

 りそな銀行や埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行を傘下にもつ、りそなHDは2003年までに3兆1260円の公的資金を資本注入。 それを8716億円( 12年5月末現在 )にまで減らしてきた。

 実質的な経営破たんで、役員報酬は4割削減、当時残った行員の給与は年収で3割削減、ボーナスは全額カットされた。 りそなHDは、 「ボーナスは2年間でませんでした」 と語る。

 05年夏から、業績に連動した 「業績インセンティブ給」 として年2回、支払われている。

 JALは10年1月に会社更生法の適用を申請して経営破たんした。政府が1兆円の公的資金を資本注入。 大幅な路線縮小やグループ1万6000人規模の大幅な人員削減の結果、当初は 「3年はかかる」 といわれた再生を1年2ヵ月、11年3月に会社更生法の手続きを終了した。

 それを機に、11年夏のボーナスから 「復活」。 09年冬のボーナス以来、2年ぶりだった。





(2013.03.11)

 



原発避難の実態について報じる3月10日付朝日新聞
 東日本大震災と福島第2原子力発電所の事故から2年目を迎えた。 廃炉も含めた原発事故の後始末は、遅々として進んでいない。

 原発をめぐる問題は大きく分けて2つある。 原発から出る 「核のゴミ」 と、お金( 利権 )の問題だ。 自民党が政権復帰しても、現在止まっている原発の再稼動は容易ではない。 その最大の理由は、 「核のゴミ」 の処分方法がまったく決まっていないからだ。

 原発を運転すると必ず出るのが使用済み核燃料( 放射性廃棄物 )、いわゆる 「核のゴミ」 だ。 発電所内にある貯蔵プールで冷却されながら3~5年ほど保管される。 もし、原発を再稼動すると、日本全国どの発電所も10年以内でプールがいっぱいになってしまうのが現状だ。 電力会社は 「六ヶ所村の再処理工場で再処理して再利用する」 と言っているが、いまだにその施設が動くメドは立っていない。

 再処理工場が運良く動いても、再処理後にプルトニウムがゴミとして出てくる。 現在、国内にはプルトニウムが約10トンあり、今後、再処理を委託しているイギリスとフランスから、35トン戻ってくる。 これは高速増殖炉 「もんじゅ」 で燃やすということになっているが、もんじゅは1995年の事故以来止まったままだ。 高速増殖炉は、もはや政府でさえ実用化できるとは思っていないといわれている。

 運が良ければプルトニウムで困るし、運が悪ければ六ヶ所村にたまる使用済み核燃料で困ることになる。 どちらにしても、核のゴミをなんとかしなければならない。 長年、穴を掘って埋めることになっていたが、そんな場所は見つからないし、核のゴミが無害化する10万年もの間、人間社会から隔絶しておくことは困難である。

 原発はよく 「トイレのないマンション」 と揶揄されるが、核ゴミの処分方法がいまだに決まっていないからだ。 それにもかかわらず、経団連や有名経済評論家など、原発再開を主張する人々は少なくない。 彼らの主張はまるで 「原発でつくる電気は自分たちが使うが、核ゴミの後始末は次の世代で」 と言っているようにも受け取れる。




 六ヶ所村の再処理工場は動いていないので、経営している日本原燃も本来は売り上げが立たないはず。 しかし、アクティブ試験の費用という名目で、親会社である電力会社から 年間合計2700億円の収入 がある

 自民党衆議院議員の河野太郎氏は日本原燃に対し、 「その契約はおかしい」 と指摘したが、同社の返答は奇妙なものだった。

 「彼らは携帯電話の基本料金と同じだと言うのです。 携帯電話は使えば通話料が取られるけど、使わなくても基本料金が取られるという理屈のようです。 基本料金が2700億円で、フル稼動したらいくら支払われるのか聞いたら、3000億円だという。 9割基本料金で1割が通話料 という、一般的にはあり得ない契約です。 第三者との契約なら構わないが、親会社と子会社の間でそういう契約があるのは、親が子を助けるという目的以外の何ものでもないわけです。 しかも その2700億円は、国民が支払う電気料金に上乗せ されています。 自分の腹は痛まずに、潰れかけている子会社を助けているわけです」

 日本原燃が経営破綻すると、電力会社は多額の損失をかぶることになるため、再処理工場がどうなるかわからなくても、お金をつぎ込まざるを得ない構図だ。

 また、東海第2発電所と敦賀発電所1・2号機の計3基を持つ原子力専業の発電会社として、日本原子力発電( 日本原電 )という会社がある。 敦賀1号機は稼働から40年がたち、2号機は直下に活断層があって動かせない。 東海第2は地元の猛反対で動かす見込みが立たない。 3基とも止まったままなので、この会社も売り上げがゼロ。 しかし、売るものがない会社に対して、電力会社は6ヵ月ごとに合わせて700億円( 年間で1400億円 )払っている。

 前出の河野氏が 「なぜ700億円が支払われたのか?」 と聞いたところ、日本原燃と同様に 「基本料金です」 という答えが返ってきたという。

 「ところが、3年ほど前、原発が動いていた時に電力会社が払っていた金額も、年間1400億円程度でした。 原発の稼働 / 不稼働に関係なく金額が同じなのはおかしいと指摘したら、 『今は原発が停止中でコストがかからないから、半期で200億円の利益が出てます』 という返答でした。 停止しているから利益が出ているという不可解なことを平気で言う。 電力を販売しないほうが圧倒的に利益が多い。 同社社員の平均年収は638万円で、取締役は3000万円くらい。 20人の取締役が、合わせて4億7900万円の報酬を受け取っている。 それも全部、電気代に上乗せされている わけです




 前述のとおり、放射性廃棄物である核のゴミの最終処分場は、いまだに決まっていない。 六ヶ所村はあくまで 「一時保管所」 であり、最終処分場を探しているのは独立行政法人・NUMO( 原子力発電環境整備機構 )である。 河野氏はこう言う。

 「独法というのはたいした仕事をしていなくて、ゴミ捨て場が決まらないからといって給料が下げられるわけでもなく、決まらないなら別に無理する必要もないというスタンスでしょう。 そういうことは独法にやらせるのではなく、国が責任を持って解決しなければいけないが、国が直接やっても引き受ける地方自治体が出てくる見込みはありません」

 では、実際にどう処理するのが現実的かといえば、使用済み核燃料をプールで少し冷やしたら引き揚げて、ドライキャスクに入れてその中で冷やし続けるしかないと河野氏は解説する。 ドライキャスクは、使用済み核燃料を中間貯蔵する際に用いられる容器で、鋼鉄やコンクリートでできているものだ。

 実は、ドライキャスクは福島第1原発でもすでに使われており、大震災で津波をかぶったが、容器外側のいたるところにワカメが張り付いているだけで、中はまったく問題なかったそうだ。 ドライキャスクに保管できるのは証明されたが、では、それをどこで管理するかが問題だ。

 「原発立地の自治体は、 『そこまでは自分たちの責任ではない』 と言っています。 電力を消費した人たちの責任だから、東京でドライキャスク何本、神奈川で何本というように引き受けてくださいよというわけです。 その気持ちはよくわかります」 ( 河野氏 )

 そして、河野氏は 「ドライキャスク何本分まで核のゴミを増やせるか、国民合意を取るべき」 と提案する。

 「『その合意の範囲内であれば、再稼動の可能性もある』 という話になる。 そして、ルールとしては、ドライキャスクをいくらでも引き受けるという自治体は、原発でつくった電気をがんがん使えばいいし、引き受けたくないところは、原発の電気を使ってはダメということです」 ( 河野氏 )

 ドライキャスクの寿命は50年以上。 50年ごとに古いドライキャスクから新しいドライキャスクに使用済み核燃料を入れ替え、それを繰り返しているうちに数千年たてば技術の進歩で核のゴミも無害化できるかもしれない。 この案も結局、次世代にツケを回していく方法には違いない。

 しかし、すでに1万7000トンという膨大な量に達している使用済み核燃料はなんとかしなければいけない緊急の課題だ。 地下に埋めるなどという非現実的な淡い期待感で政策遂行されてはならない。 ましてや、原発を再稼動してさらに核のゴミを増やすなどという選択肢はあり得ないはずである。

 最近の日本学術会議の議論では、保管場所を決めるのは当分無理で、暫定保管ということになった。 河野氏は、やっと現実的な議論になってきたと話す。

 「これまでも中間貯蔵という曖昧な言い方をしていましたが、それは最終的に埋めるのを前提にした “中間” でした。 しかし、今回の暫定保管は、埋めるかどうか決めずに、今はとりあえずこの形で持っているしかないということです。 後退かもしれないけど、少なくとも現実的にはなってきました。 高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵について、国は青森県との約束で、2045年までにはすべて最終処分地へ搬出することになっていますが、その最終処分地の選定と建設の目処がまったく立たない。 やれる見込みがないのに、45年までに青森県からすべて引き揚げるという約束をするようなインチキよりはましですね。 政府の担当者に 『45年までに間に合わないじゃないか』 と指摘しても、彼らは 『頑張ります』 と言うだけ。 頑張ったってムリじゃないかと言えば、 『死ぬ気で頑張ります』 と答えるだけですから」 ( 河野氏 )


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