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の話を集めてみました。
































~( 2009.03.09 )
?( 2009.07.06 )
. 算( 2009.08.05 )
か( 2009.08.14 )
る( 2009.08.19 )
」 ( 東亜日報 2009.08.23 )
  ~( 2009.08.31 )
北朝鮮 」( 2009.09.06 ) 去( 2011.12.20 )
発( 2009.09.08 )
( 2009.09.16 )
為替不介入 に( 2009.09.17 )
暗 
 重  乱( 2009.09.19 )
 志( 2009.09.20 10:17 )
相  解( 2009.09.21 )
に  想( 2009.09.22 )
談  」( 2009.09.22 )
ー  想( 2009.09.22 )
」  ( 2009.09.22 )
減  」( 2009.09.22 )
案  」( 2009.09.25 )
」  束( 2009.09.25 )
>   へ( 2009.09.25 )
ち( 2009.09.26 )
」( 2009.09.27 )
」  相( 2009.09.27 )
撃  声( 2009.09.28 )
新政権の課題  情報持てば脱官僚も( 2009.09.28 )
相  唆( 2009.9.29 )
案  !( 2009.09.29 )
鳩山政権発足前後の主な動き( 2009.10.01 )
江田参院議長  」( 2009.10.02 )
は( 2009.10.03 )
」( 2009.10.06 )
」( 2009.10.07 )
首相「故人献金」 未訂正分も虚偽記載( 2009.10.07 )
岡田外相  」( 2009.10.08 )
>  ず( 2009.10.08 ) ★必読★
旅( 2009.10.09 )
」( 2009.10.09 )
想  さ( 2009.10.11 )
な  」( 2009.10.18 )
な( 2009.10.19 )
唆( 2009.10.20 )
長  」( 2009.10.22 )
天皇のお言葉  い( 2009.10.23 )
 民 り( 2009.10.24 )
つ  ず( 2009.10.25 )
へ  じ( 2009.11.03 )
走  ス( 2009.11.04 )
」( 2009.11.04 )
唆( 2009.11.04 )
 「」( 2009.11.05 )
リ  !( 2009.11.15 )
感( 2009.11.27 )
利益で7,000万円以上ですよ!
 ( 2009.11.27 )
  ( 2009.12.03 )
立( 2009.12.05 )
り( 2009.12.09 )

 倫
  人
( 2009.12.10 )
へ( 2009.12.12 )
交( 2009.12.13 )
盾( 2009.12.17 )
か( 2009.12.20 )
ぬ( 2009.12.27 )
し( 2009.12.27 )
々( 2010.01.11 )
!( 2010.01.17 )
( 2010.02.14 )
 無れ( 2010.02.23 )
象( 2010.03.11 )
立( 2010.03.25 )
?( 2010.04.09 )
想( 2010.05.04 )
例!( 2010.05.13 )
 補( 2010.05.18 )
~ 即刻罷免にも値する大失言 ~
尖閣諸島は日本領土ではないと発言した鳩山首相
( 2010.05.29 )
退 ( 2010.06.03 )
( 2010.07.07 )
句( 2010.07.15 )
」( 2010.07.28 )
機( 2010.08.01 )
る( 2010.08.10 )
 ―― あい( 2010.08.27 )
 明( 2010.09.06 )
  
 「無差別連続増税」
( 2010.09.09 )
退る(2010.09.26)
  」( 2010.10.08 )
舫( 2010.10.08 )
仙谷長官は、姿か( 2010.10.17 )
”( 2010.10.22 )
交( 2010.10.28 )
る( 2010.11.02 )
 」( 2010.11.18 )
ー( 2010.12.09 )

」( 2010.12.19 )
よ( 2010.12.27 )
頂( 2011.02.14 ) ★必読★
仙谷由人代表代行、 人」( 2011.03.03 )
員( 2011.03.09 )
  
 置( 2011.05.16 )
 大(2011.05.25)
 説( 2011.05.26 )
任( 2011.05.26 )
園田氏の苦言 人よ( 2011.05.28 )

」( 2011.06.06 )
菅内閣発足1年 失 ”( 2011.06.08 )
 い( 2011.06.25 )
( 2011.07.01 )
金( 2011.07.02 )
議員OBの生活が第一? 納
 
原発ストレステスト 「 判( 2011.07.08 )
 雲( 2011.07.19 )
 る( 2011.07.30 )
?( 2011.08.13 )
策( 2011.08.17 )
 る( 2011.08.19 )
民主代表選 相似( 2011.08.26 )
屁( 2011.08.28 )
】( 2011.08.28 )
…… もう、やぁ~めた! ……

た( 2012.09.16 )
た( 2013.03.24 )
由( 2014.05.03 )
使国( 2014.07.17 )
か( 2014.09.29 )
 呈( 2016.12.19 )


~ 番外 ~
 言「山岡賢治」
臣( 山田正彦編 )
 → おまけ:平山誠

同僚議員のパーティーで 「ブータン国王が来て宮中で催し物があるが、私はこちらの方が大事だ」 と挨拶
[ ]
  
 ★必読★
使
 
 






 世界は刻一刻、時に劇的に変化をする。
 日本も未曽有の大震災に泣いた。
 なのに永田町は“権力LOVE”のペテン総理を筆頭に、シーラカンスがウヨウヨ。
 「トラストーミー」 の元祖サギ総理、「だまされた」 とおかんむりだが、ご自身の 「( 議員を )やめることをやめた」 発言は忘却のかなたらしい。
 民主党はそもそも離婚しそうでしない “仮面夫婦党” だが、この度の史上サイテー茶番は、幸せな日常が崩壊してしまった被災民をほったらかしてでも、「党を壊さない」 が国益よりも上にある政党 だと国民に教えてくれた


 
 使




   

  「( 支那 )事変の目的はどこにあるかということすらまだよく国民の間には徹底しておらない」。 やじと怒号、拍手が飛び交う。 昭和15( 1940 )年2月2日、帝国議会での演説が残っている。 後に 「反軍演説」 と呼ばれる衆議院議員の斎藤隆夫の言葉である。
  「老政治家が聴衆に向って今度の戦争の目的はわからない、何のために戦争をしているのであるか自分にはわからない、諸君はわかっているか、わかっているならば聴かしてくれと言うたところが聴衆一人として答える者がなかった」
 昭和12年から始まった支那事変 ( 日中戦争 )は10万人以上の犠牲者を出し、日清戦争、日露戦争を超える戦費を費やしていた。 なぜ多大な犠牲を払い、戦争を継続しているのか。
 首相の米内光政は 「戦争と平和に関するご意見はよく拝聴致しました」 と答えるだけだった。 陸相の畑俊六はぶぜんとしたままで、戦争目的について答える大臣はいなかった。
 外務省は米国に対し、中国駐兵理由について、 「共産党の動きは活発で治安維持に有害である。 ( 中略 ) 所要期間日本軍を駐留させる必要がある」 と説明する。
 日本の安全保障のための駐留とあるが、結局のところは獲得した中国支配維持が目的だった。 日米開戦もその延長線上にあり、10万人もの犠牲を払っていることで引くに引けず、犠牲者を300万人に拡大させてしまった。
 民主党政権が誕生して2年以上が経過した。 その間、鳩山内閣、菅内閣、野田内閣と代わった。 民主党は何を目指して政権党になったのか。 政権が欲しかっただけではないのか。 少なくとも国民にはそう見えて仕方がない。

     ☆  ☆

 さらに斎藤はタイムスリップしたようなことも述べている。
  「2年有半の間において3たび内閣が辞職をする。 政局の安定すら得られない。 どうしてこの国難に当たることができるのであるか。 政府の首脳部に責任観念が欠けている。 身をもって国に尽すところの熱力が足らないからであります。 ( 中略 ) 国論の趨勢を無視し、国民的基礎を有せず、国政に対して何らの経験もない。 しかもその器にあらざる者を拾い集めて弱体内閣を組織する。 国民的支持を欠いているから、何ごとにつけても自己の所信を断行するところの決心もなければ勇気もない」
 衆院議長は軍部を批判した演説全体の3分の2を削除させ、民政党は離党勧告し、斎藤は受諾するが、議員辞職は拒否。 7日の本会議で反対7の圧倒的多数で除名される。 以後、各政党は反対派を追放する動きが加速、戦争協力体制に向かうことになる。

     ☆  ☆

  「支那事変」 をそのまま、 「東日本大震災」 に置き換えると、切歯扼腕やくわんしながらも耐える国民の状況も似ている。
 「( 支那 )事変以来国民は実に従順であります。 ( 中略 ) 官僚政治の弊害には悲憤の涙を流しながらも黙々として政府の命令に服従する。 政府の統制に服従するのは何がためであるか、一つは国を愛するためであります。 まだ一つは政府が事を解決してくれるであろう、これを期待しているがためである」
 70年前、政府や軍部、官僚は自らの利益、省益を守るために、国民に犠牲を強いた。 同じことが繰り返されてはいないだろうか。 リーダーは気骨ある政治家の言葉をいま一度かみしめるときではないだろうか。


 永田町では不思議なことが世間より頻繁に起こるようで、党首が政権離脱を宣言した舌の根も乾かぬうちに部下が閣議に出て法案にサインしても誰も怪しまない。 大半の部下が反旗を翻したのに、トップが辞めるでもなく、部下たちが脱党するでもないのも魔訶まか不思議だ。

 2年半前に結ばれた合意書には、 「消費税5%は据え置く。 選挙で負託された政権担当期間中に税率引き上げは行わない」 とある。 もし、連立を維持したまま消費税を上げるのであれば、新たな合意を結ぶ必要があり、それができないのなら連立を解消するのが筋だ。

 郵政民営化見直しを見届けるために政権にとどまる、というのが残留組の言い分だが、政治家にはもっと大事な国民との信義を守る義務がある。 政治家が筋を通さなくては民主主義は簡単に崩れ去ってしまう。






  調
    
      







 「就職を探しても、生活保護をもらった方が楽だというのは、多分に甘えている」 ――。
 東京都の石原慎太郎知事は18日、さいたま市で開かれた8都県市首脳会議で、雇用対策についての協議中に、こう発言した。 会議後、報道陣に対し、 「仕事をあっせんしても嫌だという事例があちこちから報告されている」 と発言の理由を説明した。
 石原知事の発言は、阿部孝夫・川崎市長が就職支援を8都県市で広域的に取り組むよう提案した後の意見交換。
 「自治体は国以上のきめの細かい努力をしていると思う」 などと述べた上で、 「就職を探しても、それ嫌だ、これも嫌だ、あれも嫌だ。 生活保護をもらった方が楽だという価値観、トレンドは、現場で事例を考えている自治体が国に、こういうものをどうするのかと言った方がいい」 と発言。 「甘えているところがある。 被害者意識ばかりあってね」 「生活保護を受けたいというのは、我々がやっている努力と矛盾するところがある」 と述べた。







  













サッカーの試合で震災をお祝いした民族が、日本の国会を占領?





( 2010.01.01 )
 私たちはこの新しい年に、何を期待したらいいのだろうか。
 自らが属する国家社会の在りようへの評価はあくまで世界を眺めて相対的なものだが、この国が他の先進国に比べてかなり傾斜してきているのはどうやら誰しもが感じていることに違いない。
 それは世界第二と誇っていたこの国の経済規模が、どうやら近々隣りの中国に抜かれそうだといったことなどではなしに、社会の急速な高齢化と少子化、引いては家庭の崩壊といった人間社会の根源的な構造に関する問題に関わりがあるに違いない
 日本に来て間もない外国人が東京で犬を飼う人間が多いのに驚いていたが、私の住む住宅地でも犬を連れて歩く者の多さに驚かされる。 中には着物を着せた犬を抱いて歩く者もいるが、ああしたペットヘの愛着の姿はいささか異常な気がしてならない。 あれが一種の代行だとしたなら、人々は実は何を求めながらかなわずにいるのだろうか。
 ああした現象は実は、この社会における人間の関わりが本質的に崩壊してきているという表示ではあるまいか。 そしてその原因は60年前の戦争以来、この国だけには他のいかなる国々にもあり得なかった平和の存続と緊張の欠落、それがもたらしたいたずらな物質的繁栄に依るものではなかろうか。
 その結果人々は、ギリシャのアトレウス家の神話の発端の、食欲が異常に高じるままついには果てしない飢餓感に襲われ自らの体を食いつくして死んだタンタロスのように、物欲への追求を絶対的なものとし、それを満たすことこそが幸せという迷妄のままに精神の衰弱と荒廃をきたし、それを全く顧みぬところまで自らをおとしめてしまった。
 そしてこの国の政治もまたそれへの警鐘を忘れ、それにおもねり迎合するポピュリスムに走り、この国を覆っている衰退の暗雲を払おうとはしない。
 その本質的な危機の何よりもの表示はいかなる政党も政治家も国民におもねってこの財政危機にありながら、国家経営の眼目である財政を立て直すために思い切った税制の改革を唱えることがない。 深刻な格差を生みながらますます歪んでいく社会の是正の挺子ともなる、奢侈を抑制しながら財源を生み出すはずの消費税の税率の向上は今ではタブーになってしまった。 かつては消費税に関してその対象をいかに絞るか、生活必需品の範躊をどう決めるかといった議論もあったがもうその余韻すら消えてしまった。
 福田和也氏の『 日本人は何故かくも幼稚になってしまったのか』 という論文に、『 幼稚な人間とは知能指数が低いとか、ものをよく知らないということではない。 何が肝心かということがわからない、何が肝心かということを考えようとはしない者のことだ』 という名言があったが、政治家も含めて奢侈に溺れた今日の日本人の多くはまさにそれに該当するのではないか。
 政治を武なする者たちらにとって肝心なこととは、この社会に過ごす人間にとっての義務と責任への自覚に他なるまい。 例えば社会に何かを求め期待する者としてそれに見合う税金と己の関わり。 払うべき税金も払わずに行政に過剰な期待をするという聞違いの横行、それは甘えを通り越した横暴といえる
 人間が長生きすればするほど先鋭的な問題となる医療に関しても、現行の高福祉、低負担などという仕組みが成り立ち得ないのは自明のことだが、至上の価値とされる健康、命のためと目的を絞ってでも税を構えるということすら日本の社会ではありえない。 国民皆保険という誇るべき制度は皮肉なことにそれへの評価の代わりに患者の増長だけをもたらし、医師の努力は恩恵とはとられずただの奉仕としか受け取られない荒廃の現況だ
 医療の世界に見られるいわゆるモンスター・ペイシェントと同じように、教育の世界でもそこで受ける恩恵を恩恵とせず権利の享受としかとらぬ、自分は親としてのしつけはほうり出しているモンスター・ペアレントなるものの蹴麗も医療の世界における荒廃と同じことだ。
 育児についての親の責任の放棄と教師への過剰な押しつけは、ことが重要なほど医師や教師といった専門性のある権威への一方的な押しつけ依存となり自己の責任について顧みられることもない。 そうした姿勢は子供の将来も含めて、実は自らの人生への抱負をも阻害してしまっているのに。
 こうした状況への反省は結局この先、こうした態勢がその財政的基盤の聡範によって崩壊すること以外にありえまいが、政治はその到来を恐れながらもことをいたずらに先送りするしか能がない。 これは国家官僚なる人種が培い普遍してきた、その場しのぎ先送りの通弊であって革命か決定的破綻の到来以外には修復されることはなさそうだ
 ある人はやがて到来必至のこの国の財政の破綻を国民の甘兄の所産といったが、本来甘兄というのは親と子、恋人同士といった親しい者同士の二者の関係においてありえることで、親の権威なり恋人同士の関わりの現代的な風化の中で、それに代わって国家への依存などという形でくくられるものではないはずだ。 甘えというよりも逸脱、要するに国民の幼稚化でしかない。
 ろくな税金も払わずに、平和の中の安逸のままかさんでいく己の欲望を満たさせようとする国民を政治もそれをたしなめ抑制しようともせず、常識で考えればかなつはずのない財政運営をつづけ、気づいてみれば将来への借金たる国債のGDP比はかつては哀れんでいたイタリアを抜き去り世界最悪となりはてた。 それにしてなお格差を踏まえて富める者たちの奢侈にも税金を課すこともなく、消費税率の改定は禁忌とされている。
 北欧諸国のすべての制度を是とはしないが、それでも消費税率は平均25%、所得税率は60%であって国民はそれを是としている。 その結果医療費は滞在中の外国人も無料、教育を受けるための学費は小学校から大学まで無料という高福祉となっている。 それに比べてこの国では ―。
 この国を支配してきた国家官僚の場あたりその場しのぎの通弊はいつしか国民にも伝染し、当座の受益を望んでやまぬ国民にポピュリスムに陥った政治も迎合してで当座の権勢獲得のために肝心のことを告げようとはしない。
 誰がどう考えてもこの国の財政はすでにもたなくなっているのに、少しつらい思いをしてでもここから皆して這い上がろうと説く者がいないという状況は、モルヒネで今一瞬痛みをこらえて今日一日生きられればいいという末期の癌患者の心象ともいうべきか。 しかし私たちの次の、さらに次の世代に経済の破綻壊滅の中でどう生きていけというのだろうか。
 ごくごく間近に迫っている国家社会の破綻を眼前にして、我々が今すべきことは国家を支えるための国民の責任としていくばくの税の負担、消費税率の引き上げに甘んじるという決心以外にありはしまい。
 虚飾のための高価なブランド製品を買わずに死ぬ者などいはしない。





( 2010.05.07)


 政治家の演説、予算委員会での質疑応答、記者会見でのやり取りを聞いていると、知りたいことをなかなか率直に語ってくれないので、欲求不満に陥ることが多い。 イメージのわかない抽象的な表現に終始するだけでなく、質問をはぐらかすような返答には、ときに苛立ちを覚える。

 言葉の軽さは、民主制社会のひとつの特徴のようだ。 このことは、独裁専制政治では、独裁者の言葉と一挙一動に( ときには咳払いや視線にさえ)人は敏感に反応するようになるのと対照的だ。



 権力を持つもの、権力の近くにいるものは、言葉遣いに慎重になる。 かつては京都の人々の婉曲えんきょく的で柔らかな言葉遣いは 「京都人の技巧」 あるいは 「京都文化の特質」 だとされたものだ。 しかし、近年、政治、行政、経済の中心が東京に移ってから、東京の人たちの言葉遣いに、昔の 「京都人」 に近いものを感じる。 権力の近くでは、人は用心深くなるものだ。

 一方、デモクラシーの下では、市場経済と同じく、いま、ここで、人々に強く訴えかけられるか否かが競争の雌雄を決する。 思弁的ではなく、実際的、商業的な分野の言葉が重要になり、思想よりも感情そのものを捉まえる言葉が勝利するそして魂の抜けたような言葉が累積して行くのだ

 この 「死んだ」 言葉の横行は、一般に官僚出身議員( 衆参両院83名にのぼる)の増加ゆえかと思ったが、必ずしもそうではなさそうだ。 官僚出身の政治家が質問をかわす技術には驚くが、共通感覚で語る議員も少なくないからだ。

 なぜ政治家の言葉が空疎に響くのか、特に深く考えることはなかったが、最近たまたま読んだ本によって、まさに 「目からうろこが落ちる」 ような思いを味わった。

 原題は、On Bullshit。 ブルシットは直訳すれば、 「牛の糞」 であるが、その意味は、たわ言、ナンセンスということになろうか。 著者は米国プリンストン大学のハリー・フランクファート教授である。 デカルト研究を専門とする著名な哲学者だ。



 同書は小冊子であるがなかなか鋭くて面白い。 まず、哲学者らしく 「ブルシット」 と言う概念を定義し、その応用可能性を検討する。 大事な点は、 「ブルシット」 を 「嘘」 と峻別するということだ。 嘘つきは、故意に誤った発言をするが、 「ブルシッター( たわ言をいう者)」 は真理には全く無関心なのである。 「ブルシッター」 は主に聴き手に好印象を与えることに終始し、聴き手を味方につけることにのみ関心を持つ

 嘘つきは真実を隠すが、そのためにはその真実を知っていなければならないしかし 「ブルシッター」 は自分自身の主張を押し通すことにのみ熱心なため、真理を知る必要を感じない。 したがって 「ブルシット」 は、真理にとって、嘘よりも強力な敵となるのだ。

 正確さ、確実さを徹底的に追求したデカルトの研究者だけあって、論理の展開は厳密だ。 著者はこの本のあとに 「真理について」 という著作を公にしている。

 フランクファート教授の指摘で重要なことは、人が言葉として発するものの中には、嘘でも真理でもない、第三種、すなわち 「ブルシット」 という範疇があるということ、そして現代社会がこの 「ブルシット」 に満ちているということである。



 この議論は現代日本の政治にも多くの示唆を与えてくれる。 最近の 「普天間問題」 についての首相の発言を聞いても、事態の真相を知ることはできない。 「嘘」 を言っているわけではないが、 「真実」 を語ってくれるわけでもない。 あらゆる方面への配慮で塗り固められた 「ブルシット」 が、飛び交っているだけなのである。

 無念なのは、首相自身が、そうした対応の何処に問題があるのかを自覚していないことである。 自分は謙虚で誠意に溢れた人間だと思い込んではいないか。 この思い込みは、 「嘘」 よりも始末が悪い。 それはちょうど、 「自分は正しい」 と思い込んでいる頑固者のほうが、偽善者よりもはるかに困った存在 であることに似ている。 偽善者は、少なくとも、善が何かを知っており、あたかも善意の人の如く振舞うことができるからだ。

 政治でもメディアでも、そして社会生活のあらゆる場面で、タブーや、口にしてはならない言葉が増えてきた。 それは言葉を慎むことによって、心の行儀をよくしようという期待から生まれた動きであろう。 だが結果としては、嘘でも真実でもない 「ブルシット」 の横行という事態を招いている。 「ムチの一打は傷をつくらん、舌の一打は骨を砕かん」 という。 真実そのものを述べることは、時には残酷となる。 したがって言葉を選びぬくという気持ちは常に必要だろう。 しかし いまの日本の政治には、真理でも嘘でもない 「余計な言葉」 ばかりが溢れだした という事なのだ。





( 2012.06.24 )


 つい最近、野田佳彦首相は一知半解のまま四字熟語を使っていた。 すなわち小沢一郎元代表と面会する前、心構えをこう言った。 「乾坤一擲けんこんいってき」 「一期一会いちごいちえ」 と。

 驚いた。 「一期一会」 の 「一期」 とは、その人の一生ということで、その生涯においてただ一度の出会いということだ。

 にもかかわらず、再度出会っているし、第一、党という俗人の仲間において一期一会などということは絶対にありえない。

 「乾坤一擲」 とは、大勝負をするということであって、いわば相手への宣戦布告にほとんど等しい。 そこには妥協を許さずまっすぐに自己の立場を貫く意志がある。 けれども、小沢派と大喧嘩したわけでもない。 なにが乾坤一擲なものか。

 軽いのである、ことばが。 いや、軽はずみに使っているのである、重いことばを。
 乾坤一擲だの、一期一会だの、そういう大げさなことばではなく、ごくふつうのことばを使って、まごころのもった己の信念を語ってよいのだ。 いや、語るべきなのだ。
 けれども、出てくることばは、いつも 「しっかりと」 であり 「政治生命を賭ける」 だけである。
 同語反復という内容空虚なことばをいくら重ねても、ゼロにゼロを足すだけのこと

 そういう力不足の首相が重たい小沢派を背負って、消費税増税の高い土塀をどのようにして乗り越えることができるのであろうか。 無事にその目的を果たせそうには見えない。 小沢派を背負っての塀越え姿は、それだけで不吉( 不祥 )の発生をすでに表しているのではあるまいか。





( 2010.12.09 )


 この秋、NHKで放映された“バラエティー番組”が話題をさらった。 その番組の名は、 「国会中継」。不謹慎なようであるが、参議院開設120周年の式典で秋篠宮さまに悪態をつく議員よりはましであろう。 民主党政権下の国会討論は、政治とはかけ離れた内容である。

 海上保安庁の巡視船に衝突した中国人船長が大陸に消えるミステリー仕立て、ビデオ流出の犯人探しサスペンス。 海上保安庁長官をいびり抜く昼メロ風ドラマ。 クイズコーナーでは、 「柳腰ってなーんだ」 との質問に、へらへらしているだけでまともな答えは返ってこない。 トークショーでは、 「個別案件についてはお答えを差し控えます」 「法と証拠に基づいて適切にやっています」 と2つの言葉を繰り返すだけでお笑い番組より単純だ。

 視聴者に飽きが来ないようにするためか、はたまた、出演者の演技力不足を隠すためか、オムニバス構成がコロコロ変わり、短編にまとめようとする苦心のあとがうかがえる。 すべては、仙谷由人官房長官プロデュース。 稚拙な演出に対して、多くの視聴者から 「誠実さにかける」 「倫理観がない」 と非難殺到。 脇役陣から問責決議という番組降板要請が出される始末。

 海外取材は、中国とロシア。取材許可が欲しくて相手の言いなり。 胡錦濤( 国家主席 )、温家宝( 首相 )、メドベージェフ( 大統領 )と海外スターのわがままに振り回されてロケも全く進んでいない。 司会の菅直人内閣総理大臣は、プロデューサーから渡されたカンニングペーパーを読むだけ。 せめてカンぺの内容は、ばれないようにしてください。

 視聴率ならぬ内閣支持率は、急降下。 高額のギャラが必要な悪役専門の役者さんは、強制起訴で動きがとれず出番は辞退というところか。

 そろそろ番組改編を望むところだが、次なる番組は、はたしてどのようなものができるのか。 主役をつとめるほどの役者不在は否めない。






テストをさせよう

 2月11日の建国記念の日、初代天皇、神武天皇が祀られている奈良の橿原神宮を参拝した。 祭神に向かい、二拝二拍手一拝で拝礼する。 参拝を終え、境内を見渡したが、やはり彼らの姿は一人として見えなかった。 政権与党である民主党の国会議員の誰か一人くらいは来ているかと思ったが、少なくとも私が参列した紀元祭の間は、誰とも行き合うことはなかった。
 日本の建国を祝わない国会議員 ――。 いつから日本の政界は、低レベルな議員たちがはびこる有象無象の世界になってしまったのか。 杉村太蔵はひどかった。 一国のトップでありながら、 「頻繁」 をはんざつと読むなど、漢字のできない麻生総理も恥ずかしかった。 しかしそれにも増して基礎的な知力、教養がなく、国家意識もないのが民主党の面々だ。 その最たるものが、目下、防衛大臣という重責を担いながら、頓珍漢な受け答えでサンドバッグ状態に陥っている田中直紀大臣である。 安保問題の専門知識だけでなく、自衛隊を合憲とする憲法解釈を 「私は理解しておりません」 と言い放つなど、政治家なら誰もが知る常識を知らないのだから話にならない。 国家観がない連中が政権を弄んでいるから、こんな人物が防衛大臣になってしまう。
 「他で就職ができない」 「今なら民主党から立候補すれば、代議士になれる」 09年の総選挙で当選した議員の中に、こんなことを平気でロにする人間を複数知っている。 「国民が主役」 の売り言葉で大量当選を果たした政党だから、 「日本を愛し、国を守る」 なんて意識は毛頭ない。 ほとんどの人間が古事記や日本書紀を読んでおらず、日本という国の成り立ちすら知らないのだ。 建国記念日に橿原神宮参拝者が見当たらなかったのも当然だろう。




 今の日本が危機的状況にあることは論を侯たない。 早急に政治家の質をあげるシステムを構築することが肝要だ。 そこで提案したいのが、現職議員や議員を目指す人にセンター試験のような試験を課すことである。 国家公務員試験のように、Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種と段階をつけるのはいかがか。 Ⅲ種試験に合格すると、晴れて立候補できる有資格者となれる。 副大臣や政務官になりたければ、Ⅱ種に合格しないといけない。 最後の難関、I種は、大臣になるための資格だ。 Ⅲ種合格を立候補の絶対条件とすることが憲法上まずいというなら、Ⅲ種がないと、Ⅱ種、I種は受けられない規則にすればいい。 つまり試験を受けたくない人は、一生、ヒラ議員で終わることになる。 これは選挙民への良い判断材料にもなるだろう。
 さて問題の試験の中身だが、登竜門となるⅢ種では、まず日本が自立するための憲法問題を問いたい。
 それと語学能力だ。 きちんと漢字の読み書きができるか、国語を課す。 外国との交渉も担うわけだから、最低限の英語力も必要。 あとは選択制で第3外国語も課せればベストといえる。
 また日本の成り立ちから近現代史に至る歴史( 国史 )も必須にする。 くわえて、 「国家とは何か」 「主権とは何か」 という概念への知識や意識をはかるため、領土問題や外国人参政権問題などをテーマにした議論や論文も課すべきだ。 こうすれば、自ずと日本の文化や伝統を理解し、国防意識を持つ人間のみが国民を代表する国に生まれ変われる。
 Ⅱ種試験からは、対外的な交渉能力が問われる。 ここでは過去の内外の政治についての知識も質したい。 たとえば、イギリスでチャーチル首相が高く評価されているが、チェンバレンがダメだったのは何故かなど。
 I種ともなれば、さらに高度な対外交渉を実践させたい。 利害の絡む外国の有力政治家を呼び、テレビ中継で国民注視の中、議論を戦わせる。 これをポイント制にし、手ごわい相手に日本の国益となる展開に持ち込めれば、1ポイント、逆に国益を失えば、マイナスにする。 これで一定の点数を得れば合格とする。
 これなら日本を守る信念のない人は大臣に就けなくなる。 いずれにしろ種を課した段階で 谷亮子横峯良郎その他のタレント など人気だけで当選するような数合わせ議員を激減させられること請け合いである。

政治家の資質について

 政治家になるべき人間の資質について、きわめて明瞭に語りつくしたのがマックス・ヴェーバー( 1864~1920年 )の講演録 『職業としての政治』 である。

 政治家は権力を扱う職業だ。 その権力は 「国家による正当な物理的暴力行使の独占」 に支えられている。 こうした特殊な職業にはどのような倫理が求められるのか?

 政治家は情熱、責任感、判断力の3つを持つべきだとヴェーバーは言う。 情熱とは興奮ではなく現実に向かい合う熱意である。 現実をあるがままに受け止め、事物と人間に対して距離を置いて判断する。 こうした熱意と冷静さを一つの魂の中で結びつけることが政治家の仕事である。

 一方、政治家になってはいけないのは 「距離を見極めることができない人間」 だ。 彼らは革命、改革といった派手な言動に酔い、虚栄心に溺れ、過去の判断に責任をとらない。 こうした 「権力をかさに着た成り上がり者の大言壮語」 「知的道化師のロマンティズム」 「権力に溺れたナルシシズム」 こそ政治を堕落させるのである。

 加えて言えば、彼らは幼稚である。 政治に必然的に付随する悲劇性、現実世界の不条理が理解できないがゆえに、そこから目をらし単純な正義を声高に叫ぶ。

 ヴェーバーは言う。

 「善からは善のみが、悪からは悪のみが生まれるというのは、人間の行為にとって決して真実ではなく、しばしばその逆が真実であること。 ( 中略 )これが見抜けないような人間は、政治のイロハもわきまえない未熟児である」

 無差別的な愛の倫理を貫けば 「悪しき者にも力もて抵抗てむかうな」 となるが、政治家に求められる倫理は逆である。 彼らは暴力の行使により 「悪しき者」 に抵抗する義務を持つ。 さもなければ、悪の支配の責任を負わなければならない。 そうである以上、政治家が単純な平和主義を唱えるのは犯罪行為に近い。

 正しい選択がよい結果を生み出すとは限らない。 にもかかわらず、政治家は信念を持って判断を下さなければならない。 こうしたジレンマをどう乗り越えればいいのか?

 それは判断の結果に全責任を負うことである。 「この世のいかなる倫理であっても、多くの場合において 『善き』 目的を実現するには、倫理的にいかがわしい手段や、少なくとも倫理的に危険な手段を利用せざるをえない」 とヴェーバーは言う。 そこには 「悪しき副産物」 が発生する可能性もある。 政治を職業として行う者は、この 「倫理的なパラドックス」 を考慮に入れた上で、 「それにもかかわらず!」 決断を下すしかない。 全体を見据えて現実に踏みとどまり、責任逃れの回路を自ら断つ人間。 そして責任倫理に従って行動する人間。 ヴェーバーは政治家になるべき 「成熟した人間」 をこのように規定した。 現在わが国に蔓延はびこるのはこれと正反対の心情である。 大言壮語で世情におもねり、失政に対する自己弁護と責任転嫁に奔走する政治家、非現実的な理想論を声高に叫ぶポピュリスト、平気な顔で前言を翻すデマゴーグ ……。 彼らが離合集散を繰り返せば、悪の支配を準備することになる。 ちょうどこの講演が行われた1919年のドイツのように。

 丸山穂高衆院議員による 「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」 「戦争しないとどうしようもなくないですか」 との発言にはあきれてものが言えない。 国際紛争を平和的に解決するため、日々懸命に努めている自衛隊員や防衛省、外務省の職員に対する冒涜ぼうとく的な発言といえよう。

 ≪平和と独立守る使命理解を≫


衆院本会議を欠席した無所属の丸山穂高氏
 自衛隊の使命は、 「日本の平和と独立を守る」 である。 「平和を守る」 とは、戦争しない状態を守り続ける 「抑止力」 として機能するということだ。 そしてその抑止が崩れた場合 「独立を守る」 ため攻撃してくる敵を公海或(ある)いはその上空で排除する 「対処力」 として機能するという関係だ。 だからこそ 「警察以上戦力未満」 の 「自衛のための必要最小限度の実力」 であり、国連憲章の定めどおり、他国に侵略して戦うことはしない存在として位置づけられている。

 こう書くと、 「他の軍隊は外国で戦争するではないか」 という人がいるだろうが、あの米軍も 「侵略抑止」 と 「祖国防衛」 が任務なのだ。 今年1月、 「ボルトンからのイラン空爆計画策定指示にあきれた米国防総省」 なる記事が米国で掲載された。 今や意思を押し付けるために、他国に攻め込むことは犯罪であり、 「領土を取り返すために 『戦争』 」 と国会議員の口からでること自体、ありえないことなのだ。

 第二次世界大戦後、国連憲章が発効した74年前から、地球上の全ての国家に認められる 「武力の行使」 は、基本的に 「国連安保理による 『武力制裁容認決議』 (憲章42条)」 に基づく行為しかない。 これを 「集団安全保障措置」 という。 ちなみに 「武力の行使」 とは、 「破壊と殺傷」 を目的として武器を使うことをいう。

 一方、この措置が発動されるまでの間 「特別に許可」 され、かつ国連への 「報告義務」 が課せられている 「武力の行使」 が、 「個別的又は集団的自衛権(憲章51条)」 の行使だ。 日本では 「集団的自衛権」 ばかりが議論されるが、そもそも国連憲章において 「自衛権」 は、 「制約が課せられた概念」 だ。 それは2つの世界大戦が、自衛権の名の下で繰り返された反省から定められた。 自然権たる自衛権行使にすら制限を与え、他国への侵略は全て国連憲章違反と定めたルールブックとして加盟国には履行義務もある。


 ≪今や宣戦布告は死語である≫

 戦前においても 「不戦条約」 により 「戦争の違法化」 は議論されていたが、 「宣戦布告」 があれば許されていた。 しかし、国連憲章では、第2条3項 「国際紛争は平和的手段により解決しなければならない」、4項 「 『武力による威嚇』 又は 『武力の行使』 は慎まなければならない」 との規定、および前述した51条の 「報告義務」 の規定により、今や 「宣戦布告」 という用語は国際法上死語となった。

 1990年8月、イラクによるクウェート侵攻後、最後通告として 「武力制裁容認」 が国連安保理で決議されたが、当時日本では、 「米国が主導する多国籍軍による 『湾岸戦争』 」 と報じられた。 国連決議に基づく行動にもかかわらず米国が勝手に始めた戦争と報道が過熱し、日本は130億ドルのお金だけを出し国際的に大恥をかいたことはご承知のとおりだ。

 また、第1次安倍晋三政権発足時、国際的に 「歴史修正主義者(リビジョニスト)」 と安倍首相は捉えられ、オバマ米大統領にも当初冷遇されたことを覚えておられるだろうか。

 これは日本国内向けの 「戦後レジームからの脱却」 との発言が、国際社会からは日本は 「今度は国際連合からも脱退か」 と誤解されたからだ。 統合幕僚学校長として英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)で講演した際、外国の研究者から多くの質問を受けたことを思い出す。


 ≪大学レベルでも教育されない≫

 これらの事案は、大学の法学部でも、戦時国際法が教育されないためだろう。 本来 「国際連合」 は、第二次世界大戦を防げなかった国際連盟の反省から 「国際平和と安全の維持」 を目的として作られた組織だが、そう教えられていない。 貧困対策や文化・教育事業などの諸活動も、全て紛争予防が目的だったにもかかわらず、日本ではその平和的側面だけが強調されている。 現実に、丸山議員は、東大卒の官僚出身者であり、また外務省・防衛省以外の現役官僚に対して、前述したような内容で講演すると、 「初めて知りました」 と必ず言われてきた。

 これは、 「憲法9条」 で 「戦争放棄」 がうたわれた結果、放棄した 「戦争」 に関する学びは必要ないと判断されたからだと聞く。 もしそうであるならば、憲法に 「自衛隊」 が明記されれば、学校教育で 「国防」 について勉強しなければならないという理屈になる。 戦後の安全保障政策を含めた、本当の意味での 「平和教育」 が学校教育で行われることになるのだ。

 ただし憲法改正以前に、丸山議員の発言は、国会議員としての勉強不足の露呈であり、 「言論の自由」 を主張する内容ではない。




( 2012.04.04 )
 

 東日本大震災から1年が過ぎた。 しかし、いまだに復興は進んでいない。 政府の対応の遅さは、なにも震災の復興に限ったことではない。 沖縄・普天間基地の移転、TPPへの対応、中国・北朝鮮との外交 …… いろいろな場面で、日本政府の決断力のなさがいっそう事態を悪化させているようにみえる。 多くの国民は、すでに民主党政権に愛想をつかしているだろうが、このような日本の政治を、アメリカはどう見ているのだろうか。

 日本に対するアメリカの本音をはっきり述べた本が話題になっている。 「沖縄はゆすりの名人」 発言をしたという報道で更迭された、元国務省日本部長のケビン・メアさんの著書 「田原総一朗責任編集 自滅するな日本」 ( アスコム刊 )である。

 そもそも、沖縄の基地問題の混乱は、鳩山元首相の 「最低でも県外」 発言が発端だ。 この発言には、当時、国務省日本部長だったメアさん自身 「アホか」 と思ったという。 普天間基地の移転問題は、日米両政府が10年の歳月をかけて合意してきたものである。 それを民主党政権は、 自民党が決めた合意であり、政権交代をしたのだから従う必要がない、と言ったのである。 アメリカも共和党と民主党の2大政党間で政権交代を繰り返している。 その度に国家間の取り決めを白紙にするなんてことはありえない。 しかも、 「腹案がある」 はずの政府の提案は、それまですでに検討されつくしてボツになった案ばかり。 メアさんが呆れるのも無理はないだろう。

 TPPについても、アメリカの押しつけだという意見が日本では強い。 しかし、当初、アメリカ政府内では日本の交渉参加はジャマになるだけだ、決断できない日本を交渉に入れると、ズルズルと時間だけがたち、交渉がまとまらないから、日本の参加を歓迎すべきではない、という意見があったという。 このように、沖縄の問題にしてもTPPにしても、本来日本政府が国民にすべき説明をしっかりしないで、アメリカが決めたせいにして、それを口実にずっと言い逃れをしている。 何も決断しない、何も実行しない日本の政治に、アメリカはしびれを切らしているのだ。

 日本が、これまで幾多の困難を乗り越えてきたように、今度もまた国民が力を合わせて前へ歩いていくのか、あるいは、自滅への道を進むのか。 道筋を決めるのは私たち自身である。 今、何を議論し、どう決断すべきか、決める時期にきている。









( 2012.07.06 )


 消費税増税法案をめぐり政界で混乱が続いている。 社会保障と税の一体改革を目指す野田総理に対し、衆院の採決では72人が造反。 民主党は分裂した。 こうした中、 「国民の皆さんが納得しない」 「増税は民意に背く」 などと言い出す議員まで現れた。 愚の骨頂である。 そもそも、政治家は政策決定において、安易に民意に従ってはならないのだ。 政治家は有権者の御用聞きではない。 政治家がやるべき仕事はただ一つ。 議会で議論することである。 移ろいやすい民意、熱しやすい世論から距離を置き、過去と未来に責任を持ち、冷静な判断を下すことである。 わが国の将来にプラスになるなら増税すべきだし、マイナスになるなら阻止すべきである。

 その際、民意は関係ない。

 「民意に従う」 「国民の判断を仰ぐ」 ことが正しいなら、すぐにでも議会を解体して、すべての案件を直接投票( 民主主義 )で決めればいい。 現在では技術的にそれは可能だ。 しかし同時にそれは、政治の自殺を意味する。 直接投票で物事が決まるなら知性は必要なくなるからだ。

 人類の知の歴史が明らかにしてきたことは、民主主義の本質は反知性主義であり、民意を利用する政治家を除去しない限り、文明社会は崩壊するという事実である。 諸学の父・アリストテレスは、著書 「政治学」 において民意を最優先させた場合の民主政を、僭主政せんしゅせい( 正当な手続きを経ずに君主の座についた者による政治 )に近い最悪のものと規定した。

 マッカーシズムとベトナム戦争を痛烈に批判したウォルター・リップマン( 1889~1974年 )は、ジャーナリズム論の古典 「世論」 で民意の危険性について分析している。 「なぜなら、あらゆる種類の複雑な問題について一般公衆に訴えるという行為は、知る機会をもったことのない大多数の人たちをまきこむことによって、知っている人たちからの批判をかわしたいという気持から出ているからである。 このような状況下で下される判断は、誰がもっとも大きな声をしているか、あるいはもっともうっとりするような声をしているか( 中略 )によって決まる」

 平成17年8月、郵政民営化関連法案が参議院で否決された。 首相の小泉純一郎は激怒し 「国会は郵政民営化は必要ないという判断を下した」 「郵政民営化に賛成か反対かを国民の皆様に問いたい」 と言い衆議院を解散した。 これは憲政史上類例を見ない暴挙であり、わが国の議会主義が死んだ瞬間である。 職業政治家の集団である参議院の判断を無視し、素人の意見を重視したのだから。

 この20年にわたるメディアの 《 民意礼賛 》 がおかしな政治家を生み出している。 橋下徹大阪市長は 「僕が直接選挙で選ばれているので最後は僕が民意だ」 と、二言目には民意を持ち出し、自己正当化を行う。 これはナチスのアドルフ・ヒトラーが使った独裁のロジックとまったく同じものだ。 歴史的に見て、デマゴーグは常に民意を利用する。 リップマンが指摘したように、ステレオタイプ化した世論、メディアが恣意的しいてきにつくりあげた民意は、未熟な人々の間で拡大再生産されていく。 政治家の役割は、こうした民意の暴走から国家・社会・共同体を守ることである。














( 2013.04.04 )

 


 「自ら信じる政策があれば、一度や二度の失敗にへこたれることなく、実現に向けて飽くなき挑戦をし続けてほしい」
 安倍首相は3日の国家公務員合同初任研修で、新人官僚をこう励ました。 再登板を果たした自身の経験を踏まえての言葉なのだろうが、至極まっとうである。
 一方、ちょうど3年前、当時の鳩山由紀夫首相は同じ場面で、こんな意味不明の訓示を行っていた。

 


 





( 2914.12.07 )

  …… っ



「夢は正社員になること」
 正社員になるのが夢って、 …… 日本にっぽん終わってるネ!


政権交代がスローガンだったころから変わんないな。 交代したら目標見失って終わり、正社員も同じ末路だろ
正社員になれなかったのは馬鹿か遊んで勉強しなかった奴だろ。 アリとキリギリス
正社員になって何を目指すかまで考えてないヤツは落とすよ。 政権取るのはあきらめてて、当選だけすればいい政党のCMだもんな
「一流企業の正社員になること」 ってキチンと書かないとね。 派遣社員の人に 「中小企業でいいから正社員になりなよ」 って助言すると 「ブラックやだぁ~」 って鼻で笑われるよ
民主党はもう自分たちが何をしているすらわからなくなってしまっているんだね
非正規を減らして無職を増やした民主党だからな
夢は月1200万円の不労所得、在日●●人
埋蔵金で高速道路無料化はどうなったんだ?
今でもあるだろ、小売り飲食介護不動産営業。 好きなの選べよ
与党だった頃に何してたんだ?
民主党政権になったら正社員になれるのか? どういう法律でそうするんだ? 具体案だしてから言え!
国民全員、公務員かよ! 狂産党じゃあるまいし
民主党の夢は政権をとること。 そして、おままごとすること
さすがに党首がアレだと選挙CMも当然こうなるわな
相変わらず馬鹿なんだな。 ほんと政治家の連中ってブラック企業で働かないと今の日本がわかんねーんだろうな。 ヌルい仕事ばっかしてたボケ老人なんかが日本回せるわけが無い
貧乏人の味方みたいなスタンスだけど、こいつらが政権とったらまた正社員減るわ
このキャッチフレーズを見て正社員は投票すると思ってるのかよ?
民主党になれば正社員が増えるとか、一体誰が思うのか?





( 2014.12.15 )


 菅氏は前回2012年衆院選でも土屋氏に敗北、比例で復活当選した。
 背水の陣で戦った今回は、駅前での街頭演説や個人演説会を定期的に開催し、原発ゼロや集団的自衛権行使容認への反対を訴えた。

 今回も土屋正忠氏に小選挙区で敗れたものの、比例復活で当選した。

 東京選挙区の比例の “最後のイス” を惜敗率で手繰り寄せた格好だ。 ネット上では 「ゾンビ復活」 などと呼ばれている。

 菅氏は、2010年から “小沢排除” に動いて一気に首相の座を射止め、参院選で唐突に消費増税を言い出し、挙句の果てに3・11後の対応で総スカンを食い、民主党を奈落の底に落とした戦犯中の戦犯と名指しされてきたご仁。 いわゆる “戦犯6人衆” の筆頭である。

 百歩譲って、党の方針として公認するのは 「アリ」 だろう( 個人は 「ナシ」 ですが … )。 しかし、野田佳彦元首相とともに、首相経験者は比例重複で立候補するのは食い止めなければ、民主党の再生、または信任は得られないのは自明の理だったはず。 実は、公示前から疑問視されていた問題だった。 しかし、無策の民主党は彼らに簡単に重複立候補を許してしまった。

 だから、民主党は非自民の受け皿になり得なかった。 有権者からすれば、 「何も反省していない」 「2年まえから何も変わってはいない」 と見えた。 だから、共産党が大幅に議席を伸ばし、維新の党が意外にも関東などでも健闘したといっていいのだろう。

 反省し、立て直す ──。 口で言うのは簡単だが、冷めた有権者にその姿勢を見せない限り、党の再建など夢のまた夢。 海江田万里代表が落選し、辞任したことで年明けに代表選が行われるが、 “政権の旨味” だけ覚えてしがみつく輩がいる限り、表紙を変えても生まれ変わることは難しいのではないだろうか。


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直人
脳がない
イカレてる
( 自分の )言いたいことしか言わない
失言しかない
恫喝して仕事の邪魔をする
対応が適当
胸クソ悪くなる
黙々と難問を増やす
慢心している
今まで同じ空気吸っていたのが不思議
原発を爆発させる
いいから仕事をしろ
馬鹿なので取り合われない
( いなくなることが )国民の希望
逆切れに定評がある
ブーメランを投げる
支那朝鮮に断固としてへつらう
馬鹿者
そして罪人へ
義偉
無駄がない
イケてる
言いたいことを言ってくれる
ユーモアがある
恫喝に応じない
適切な対応
胸がすぅ~ッとする
黙々と難問を処理する
安心できる
今まで埋もれていたのが不思議
原発事故に対処する
いい仕事をする
馬鹿には取り合わない
国民の希望
返しのキレに定評がある
キラーパスを投げる
支那朝鮮に断固とした態度を示す
切れ者
そして伝説へ


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民主党政権(2009年 - 2012年)
政権交代へ

 2009年7月13日、首相の麻生太郎が衆議院を解散する意向を表明。 この月、NHKの全国世論調査で初めて民主党が政党支持率で自民党を逆転した。

 7月21日、衆議院が解散され、事実上の任期満了選挙に突入する。 鳩山はこの総選挙を 「政権交代選挙」 と銘打ち、連立をみすえる社民党・国民新党と合わせて過半数の議席確保を目指した。 マニフェストには、前回の参院選で訴えた内容とほぼ変わらぬ政策が盛り込まれた。 各種世論調査では終始民主党の圧倒的優勢が伝えられた。

 結果、絶対安定多数を超える308議席を確保して、結党以来の悲願であった政権交代をついに実現する。 308議席は一つの党が獲得した議席数としては戦後最多であった。 また比例区の得票も2984万4799票を獲得し、日本の選挙史上で政党名の得票としては過去最高を記録した。


鳩山政権

 第172回国会で鳩山由紀夫内閣が正式に発足し、社民党・国民新党との連立政権が誕生。 党幹事長に小沢、内閣官房長官には平野博文が起用された。

 鳩山内閣は当初、70%を超す高い支持率を得てスタートした。 CO2削減目標の引き上げ、自衛隊インド洋派遣の撤退、公共事業の見直しなどの政策を推し進めるが、同時に幹事長の小沢と鳩山自身に政治資金収支報告書の虚偽記載問題が再燃する。 「政治とカネ」 を巡る不信に加え、鳩山よりも小沢に実質的な権力が集中する 「二重権力構造」 や、選挙支援と引き換えに予算配分を行う小沢の政治手法などが党内外で問題視されるようになると、内閣支持率は一転、下降の一途を辿ることとなる。

 そんな中、行政の無駄をあぶりだすことを目的に事業仕分けが行われ、これが世論から概ね好意的な評価を受ける。 しかし子ども手当などの新たな歳出や、不況による税収落ち込みもあって平成22年度予算では過去最大となる44兆円の国債発行をするに至った。

 2010年以降、小沢をはじめとする所属議員の政治資金問題で世論の反発が強まった。 また、鳩山自身の献金問題も、国会などで厳しい追及を受けた。 ただ、これらの 「政治とカネ」 問題そのものは、政権を揺るがすまでには至らなかった。

 内閣にとって決定的な打撃となったのは、前年から徐々にクローズアップされてきたアメリカ軍の普天間基地移設問題であった。 移設先を 「最低でも県外が期待される」 と総選挙時に明言していた鳩山は、沖縄及びアメリカが合意していた辺野古沿岸部へ移設する現行案を白紙に戻し、県外・国外移設の道を探っていた。 しかし5月、移設先を見つけることができず、これを断念。 失望した沖縄が現行案の辺野古沿岸部案をも受け入れ撤回する事態に発展し、移設問題は大きく後退してしまう(この際、県外移設を求めた社民党が連立を離脱した)

 このほか、野党時代の民主党の主張と、与党としての民主党の能力や政策との乖離が徐々に明らかになるにつれ、鳩山内閣への国民の不信はピークに達し、来る参議院選挙では20議席台に留まるという衝撃的な事前調査も明らかとなる。 鳩山は事態打開のため、一連の問題の責任を取る形で首相を辞任した。


菅政権

 後継の代表選挙は、まず小沢の影響力排除を目指す副総理兼財務大臣の菅直人がいち早く出馬を決め、小沢と距離を置く議員から支持を受けた。 これに対し党内最大勢力を誇る小沢グループは中立派として出馬した樽床伸二を支持した。 6月4日に行われた両院議員総会では、小沢グループ以外の票を固めた菅が圧勝した。 この代表選では小沢の処遇を巡って党を二分する激しい攻防が繰り広げられ、党内には深刻な対立が残ることとなった。

 菅内閣は発足にあたり、幹事長に枝野、内閣官房長官に仙谷由人など、主要ポストにいずれも非小沢の急先鋒を据えた。 政策面では 「強い経済、強い財政、強い社会保障」 を一体的に実現させていく 「第三の道」 を打ち出し、財政再建と雇用創出を最大の国家的課題とする方針を表明。 併せて消費税率見直し議論の提起、経済効果の薄い一部マニフェストの修正に着手するなど、鳩山内閣の政策方針からは大きな転換を図った。 発足当初は、60%を超える高い内閣支持率を記録した。

 しかし、選挙戦での菅の消費税を巡る発言が二転三転し、2010年7月11日の第22回参院選では現有の54議席から失って44議席に下がり、参院過半数を失うねじれ状態に陥った。 小沢グループは参院選敗北の責任は消費税議論を提起した菅にあるとして、総理退陣や枝野の幹事長更迭を迫った。 しかし国民の7割超は菅の続投を支持し、これを背景に菅も応じる姿勢を見せなかった。

 こうした中で迎えた9月の代表選挙に小沢が出馬。 小沢による事実上の倒閣宣言であった。 財政再建とマニフェスト一部修正を目指す菅陣営には菅・前原・野田の各グループに加え岡田が、消費税議論封印とマニフェスト堅持を掲げる小沢陣営には小沢・鳩山・羽田・樽床の各グループが参集し、深刻な党内抗争が始まった。 新聞主要四紙が揃って小沢・鳩山を批判し、世論調査でも菅支持が小沢支持の4倍超を記録するなど、戦いは次第に菅優勢へと傾いていった。 9月14日、地方議員票と党員・サポーター票で大差を付けた菅が圧勝で再選された。 幹事長には外務大臣から転じた岡田が再登板となり、閣僚からは小沢グループの議員は一掃された。 この戦いにより党内の亀裂は更に深刻化することとなった。

 尖閣諸島中国漁船衝突事件の対応を巡り内閣官房長官の仙谷と国土交通大臣の馬淵澄夫に対する問責決議が参院で可決されるなど政局は混乱。 これを受けた内閣改造により、2011年1月14日に菅第2次改造内閣が成立。 3月11日には東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生し、政権は震災復興と福島原発事故の対応に追われた。

 6月1日、 「菅首相では災害復旧と復興、原発事故の処理に対応できない」 との理由で自民党などが提出する内閣不信任決議案に対し、小沢に近い50人余りの議員が同調する意向を示したが、翌2日の採決前に開かれた党代議士会で菅が辞意とも取れる発言をしたことで小沢グループは自主投票となり、不信任案は否決された。 菅はその後、福島第一原発事故の対応にメドがつくまで続投する意欲を示したが、政府・党執行部からも菅への退陣要求が出始めた。

 8月26日に菅が退陣を正式に表明したため、民主党代表選が行われ、野田佳彦・海江田万里・前原誠司・鹿野道彦・馬淵澄夫の5人が出馬した。 代表選では小沢と鳩山のグループから支援を受けた海江田が先行し、前原と野田が追う展開となった。 第一回投票では海江田が最多の143票を得るが過半数には至らず、野田との決選投票では前原・鹿野陣営の支持を集めた野田が勝利し、第9代党代表に選出された。


野田政権

 第9代党代表に選出された野田は、2011年8月30日の衆参両院本会議内閣総理大臣指名選挙において第95代内閣総理大臣に指名された。 野田は代表選挙当時から消費税率を現行の5%から10%に引上げる消費増税を掲げたが、歳出削減が進んでないうえ、景気にも悪影響だとして小沢グループや連立を組む国民新党などから反対意見が噴出した。 このため、野田は小沢とも良好な関係にある党参院会長の輿石東を 『党内融和』 の象徴として幹事長として起用(党参議院議員会長も兼務)し、挙党体制の構築に努めた。

 しかし、閣内では経産相の鉢呂吉雄や小沢グループから起用された国家公安委員会委員長の山岡賢次、防衛相の一川保夫らに閣僚の資質が問われる問題が続出した。

 元民主党議員の松木謙公(著書で2011年中の新党大地入党を示唆)らは、新党大地へ合流、新党大地・真民主を結党した。 さらに12月28日、小沢に近い内山晃ら9人の衆議院議員が離党届を提出(認められず除籍処分)、新党きづなを結成。 他にも離党が相次ぎ、2011年の間だけで民主党は14人の国会議員を失うことになった。

 2012年1月13日、野田は内閣改造を行った(野田第1次改造内閣)。 今国会の最大の課題とする消費増税関連4法案を含む社会保障・税一体改革関連法案を国会で成立させるため、野党との協力関係構築と人心一新、体制強化を目的とした。

 しかし、改造後も閣内外で問題が頻出。 防衛相の田中直紀は北朝鮮ミサイル問題に関する失言で、国交相の前田武志は公職選挙法に抵触する可能性がある問題で、閣僚としての資質が問われ、4月10日に参議院で問責決議案が可決された。

 また、社会保障・税一体改革関連法案が閣議決定されたことに抗議し政府・党の要職を辞める者が相次いだ。 連立を組む国民新党も社会保障・税一体改革関連法案が閣議決定された事で連立離脱派と維持派が対立、離脱派で代表の亀井静香らが離党する(金融・郵政改革担当大臣の自見庄三郎が代表となり、連立維持)など党内外で混乱を露呈する事態となった。 5月には中国の一等書記官によるスパイ疑惑が政治問題化したこともあり、野田は組閣からわずか5ヶ月余りで、内閣再改造(野田第2次改造内閣)を行う事態となった。

 社会保障・税一体改革関連法案の採決は6月26日に衆議院本会議で行われ、民主党・国民新党・自民党・公明党・たちあがれ日本などの賛成多数で可決された。 消費増税法案の採決では反対の意を表明していた鳩山、小沢以下57名が反対票を投じ、原口一博・小沢鋭仁ら13名が棄権、2名が欠席(病欠した元首相の羽田孜を除く)するなど72名の造反者を党内から出した。

 野田は造反者に対して除籍も含めた厳しい処分方針を示唆した。 一方で輿石は党内融和と分裂回避を重視する観点から小沢と数回に渡って会談を持つも、消費増税法案の撤回を求める小沢と分裂を避けたい輿石の議論は平行線をたどった。 小沢が離党と並んで検討していた党籍を残したまま会派を離脱する案は野田が拒否。 院内会派離脱願が受理される可能性がなくなり、7月1日午後に小沢は記者に離党の意思を表明した。

 2日、小沢ら国会議員52名(後に2人が撤回し50名)が離党届を提出した。 3日、党執行部は離党届を提出した小沢ら衆院議員37名を除籍処分とする方針を決定。 鳩山は党員資格停止6か月、衆院議員18名には党員資格停止2か月の処分とする方針を決定した。 棄権・欠席した衆院議員15名についてはそれぞれ常任幹事会名の厳重注意、幹事長名での注意とした。

 党倫理委員会での審査を経て、9日、党執行部は小沢ら衆院議員37名の除籍を正式決定。 一方鳩山の党員資格停止期間は短縮された。

 小沢グループの離脱後も党分裂は収まらず、17日には谷岡郁子ら参院議員3名が反原発掲げ 「みどりの風」 を立ち上げた。 消費税増税関連法案の採決以後の離党者が55人となり、参議院では第2会派との差が2人まで縮まった。

 8月、社会保障・税一体改革関連法案の参院採決が迫り、除籍された小沢らが結成した国民の生活が第一を含む野党会派が、消費増税法案採決を阻止すべく野田内閣に対する内閣不信任決議案を上程した。 採決前日の8日、野田は、自民党総裁谷垣と公明党代表山口那津男を交えた党首会談で、衆院解散について 「近いうちに国民に信を問う」 こと、消費増税法案に賛成することで合意。 9日、一部を除く自民・公明の各衆院議員が採決を欠席し、内閣不信任案は否決された。

 しかし、内閣不信任案や消費増税法案は民主党内の造反が相次ぎ、一部議員は除籍された。 29日に参院で上程された野田首相への問責決議案は、一転自民党が賛成に回り可決された。 9月、大阪維新の会が国政進出を目指し、日本維新の会を結成。 党内からも松野頼久らが離党届を提出し合流した。 執行部は各議員の離党届を受理せず除籍処分としたが、離党者の増加に歯止めがかからなくなった。

 10日、党代表選挙が告示され、一時は再選を狙う野田に対し、総選挙での惨敗を危惧する勢力から環境相の細野豪志を候補に擁立する動きを見せたが断念、最終的に野田と元農水相・赤松広隆、元総務相・原口、前農水相・鹿野が立候補し、野田が1回目の投票で総投票数の過半数となる818ポイントを獲得し、再選された。

 10月1日には野田は内閣改造を実施した。 野田と代表選で戦った原口・赤松・鹿野の3グループから登用はなく、反発する声や離党者が相次いだ。

 しかし、3度目となった内閣改造も、法相兼拉致担当相の田中慶秋が早期辞任(事実上の更迭)に追い込まれた。 また、野田が自民党前総裁の谷垣らと交わした 「近いうちに解散する」 という約束をめぐり、解散時期について自民・公明両党と対立した。


野党へ逆戻り

 各社世論調査で内閣支持率が軒並み低迷し、求心力を失っていた野田は、日本維新の会などの 「第三極」 の選挙準備が整う前に解散・総選挙を行うのが得策と判断。 11月に入ると自民・公明両党の求めに応じる形で、年内に解散・総選挙を行う意向を明らかにした。 野田は、衆院議員定数削減やTPP交渉参加推進などを党公約として選挙戦に打って出る構えを見せたが、党内では選挙を行えば惨敗必至として反対意見が相次いだ。 しかし11月14日、国家基本政策委員会合同審査会における党首討論において、自由民主党総裁の安倍晋三との討論の中で 「(衆議院議員定数削減法案への賛同の)御決断をいただくならば、私は今週末の16日に解散をしてもいいと思っております」 と発言、2日後の衆議院解散を宣言する。

 この電撃的な解散決定を受けて、早期解散に反対していた党内から離党届を提出する国会議員が続出した。 その中には元環境相小沢鋭仁(日本維新の会へ移籍)、元農水相 山田正彦(亀井静香と共に「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」 結成)ら閣僚経験者もいた。 結局この解散を前後しての離党者は11名、2009年9月の民主党政権誕生以後党を離党・除籍された衆参両議員はあわせて103名を数え、民主党は両院で少数与党に転落した。

 11月16日、衆議院は解散され、第46回総選挙が行われた。 党執行部は解散前後に離党届を提出した前議員を除籍処分とし、また党公認に際しては党の定める方針に従う誓約書に署名させ、従えない立候補予定者には公認を与えないと決定した。 党創設者の一人で7月に消費増税法案に反対していた鳩山は、消費増税やTPP交渉推進などには従うことができず、総選挙への不出馬と政界引退を表明した。

 12月4日公示・16日投開票の日程で行われた第46回総選挙では、解散前の230議席を大きく下回る57議席(小選挙区27議席、比例30議席)と大きく後退した。 野田内閣の閣僚では官房長官の藤村修、財務相の城島光力、総務相の樽床伸二、文科相の田中眞紀子、厚労相の三井辨雄、国家公安委員長の小平忠正、金融担当相の中塚一宏と現憲法下で最多の7閣僚(国民新党で郵政改革担当相の下地幹郎を含め8閣僚)、さらに3人の首相補佐官、23人の副大臣・政務官など政務三役が大量に落選した。 閣僚経験者では他に元官房長官の仙谷由人、元農水相の鹿野道彦らが落選、前首相の菅、前衆院議長の横路、元経産相の海江田らは小選挙区で敗れ、比例復活当選となった。 選挙区によっては日本維新の会などを下回って第3位以下の得票数となる候補が続出し、供託金没収となる候補まで出る結果となった。 この結果、有力政党としては珍しい参院議員が衆院議員を上回る党内構成となった。 野田は直ちに代表辞任を表明。 連合会長の古賀伸明は、 「敗因は内部抗争」 と発言した。

 野田の代表辞意表明を受けて、12月25日に代表選挙が党所属国会議員のみの投票で行われ、海江田万里が馬淵澄夫を破り、代表に選出された。

 12月26日午前、野田内閣は臨時閣議を開き、辞表が取りまとめられ総辞職した。 民主党を中心とした連立政権(民社国連立政権→民国連立政権)は1198日で終焉した。


( 2019.04.26 )
輿
  
By 民主党支持者

 民主党による政権獲得は、小泉政権が終わり、その後の安倍、福田、麻生の3氏が、政権の維持だけに四苦八苦するのを見て、時間の問題だと誰にもわかっていた。

戦う前から勝負あり! 自民と民主のマニフェスト

 選挙前に自民、民主のそれぞれの公約発表の会見を聞きに行って驚いた。 民主党では赤を効果的に使ったきれいな印刷の、20ページほどのパンフレットが配られた。
「中学卒業まで1人当たり月26000円の子ども手当を支給」
「高速道路の無料化」
 など魅力的なマニフェストが並んでいた。

 一方の自民は公約の党内調整が遅れたため、パンフレットの印刷が間に合わず、なんと白黒のコピーの配布だった。 写真もない。 これはダメだ。 戦う前から勝負あったなと思った。

 後に自民党の議員からこんなことを言われた。 パンフレットの印刷が間に合わなかったのは、それだけまじめに公約の議論をしたからだ。 民主はいい加減なことをきれいなパンフレットに書いて実現できなかっただろ? あんたたちマスコミが民主をおだて、自民をバカにした結果だよ、と言われ一言も返せなかった。


鳩山さん、それを言っちゃおしまいだ!

 民主党政権のマニフェストは多くが実現できず批判されたが、僕はたとえば子ども手当の月26000円は無理でも、最初は少ない額から始めるなりして、少しずつ進めればいいのではないかと思っていた。 他のマニフェストも修正しながら徐々に実現できるものもあると思っていた。

 ただ一つだけどうにもならない問題があった。
 それが普天間の辺野古移設の問題だった。
 民主党はマニフェストで普天間については 「米軍基地の見直し」 というあいまいな表現にとどめていた。

 しかし鳩山由紀夫代表が選挙の直前に 「最低でも県外」 と言ってしまった。 このニュースを聞いた時、 「民主党政権はいずれつぶれるな」 と思った。 普天間の県外移設は不可能なのだ。 それを言っちゃおしまいだ。

 それは民主党の人達もみんな知っている。 まともな人なら。
 鳩山さんはいずれ辺野古に戻らざるを得ない。
 すると社民党は連立離脱し、参院での過半数確保は難しくなる。
 すると予算関連法案が通らなくなり、首相は毎年予算と引き換えに辞任しなければいけなくなる。
 自民の安倍、福田、麻生政権と続いた 「負の連鎖」 なのだ。
 いずれ政権は崩壊する。

 鳩山発言は政権崩壊の時限爆弾だった。
 爆弾を首相になる人自ら仕掛けてしまったのだ。
 前原誠司さんら外交安保に詳しい議員が民主党に何人もいるのに、なぜ鳩山さんにあんなことを言わせてしまったのか本当に不思議だった。
 おそらく連立入りが決まっていた社民党の福島瑞穂さんや、民主党保守派から冷たくされ、社民を含む左派に接近していた、小沢一郎さんの影響と思われる。


ついにひなたに出た 「影の総理」

 11月に鳩山首相はオバマ米国大統領と会談し、 「トラスト・ミー(僕を信じて)」 と言い米側のさらなる不信を買った。
 翌2010年1月には辺野古がある名護市長選で移設反対派が勝利。 鳩山氏の安易な県外発言にあおられて辺野古移設が困難になってしまった。 にもかかわらず5月、鳩山内閣は 「辺野古移設」 を閣議決定、これにより社民党は連立を離脱した。

 そして鳩山さんは6月に唐突に辞任してしまった。 辞任の前日にたまたま首相と民放政治部長との懇談があり、鳩山さんは 「私は辞めませんよ」 とにこやかに言った。 完全オフレコなのに、ある社が 「首相が続投の意向」 というニュースを放送して、オフレコ破りをしたが、翌日辞めてしまったのでその社は誤報になってしまった。

 鳩山さんの後継首相には、このころはまだ人気が高かった菅直人さんが就任し、一時的に内閣支持率も上がった。 しかし菅さんの消費税発言で、民主党は7月の参院選で大敗し、過半数を失った。

 ここで小沢一郎さんが動いた。
 政権交代前に政治資金問題で代表職を退いた小沢さんは、鳩山政権では幹事長に就任、細川政権の時と同様 「影の総理」 と呼ばれていたのだが、この時ついに代表選への出馬を決断し、菅さんと首相の座を争うことになった。

 自民党の海部政権、細川政権、鳩山政権、いずれも裏で首相を繰っていたのは小沢さんだった。 しかし常に 「影」 にいた小沢さんがついに 「ひなた」 に出てきたのだ。

 「新報道2001」 に菅さんと小沢さんが出演することになった。 9月なのにひどい残暑で、連日35度を超えていた。 ある日ニュースで街頭演説を見ていると、菅さんはその頃流行り始めていたクールビズのボタンダウンの半そでシャツを着ており、かっこよかった。 もともと菅さんはドイツの高級ブランド 「HUGO BOSS」 のスーツを着るなど、あの年齢の左派政治家の中ではお洒落な方である。 弁舌もさわやかで、一時は大変人気があったのだ。

 一方の小沢さんはこの暑いのに背広上下でネクタイまでしている。 仏頂面だし見るからに暑苦しい。 「ひなた」 が似合わぬ人なのだ。

 2001が始まる前に控室で小沢さんに、 「街頭で背広にネクタイで暑くないですか?」 と聞いたら、何でそんなこと聞く、というような表情で、 「だって聴いてる皆さんはもっと暑いんだから」 と答えた。

 言われれば当たり前だがドキッとした。 35度の炎天下で背広にネクタイで街頭演説などしたら熱中症の危険性もある。 ただ確かに聴いてる方も同じくらい暑いのだ。

 師と仰いだ田中角栄の 「握手した数しか票は出ない」 という教えを忠実に守る小沢さんの選挙術には定評があったが、たぶんこの人の強さの秘密は有権者との距離の近さなのだ、とその時思った。

 この選挙で驚いたのは反小沢と思っていた細野豪志さんが、小沢支持に回ったことだった。 投票直前の 「新報道2001」 には、小沢サイドから細野さん、菅サイドから蓮舫さんを呼んだ。


一度小沢首相を見てみたかった

 僕は小沢さんの政治資金問題で、秘書が有罪判決を受け、本人も検察審査会により強制起訴されたにもかかわらず、国会招致に一切応じなかったことが気に入らなかった。 だから番組では 「政治資金規正法違反が秘書のせいだと言うのなら、首相になって国政で間違ったことをしても秘書のせいだと言うのではないか」 と細野さんにからんだのを覚えている。

 後に細野さんに 「なぜあの時小沢支持に回ったのか」 と聞いたら、彼は 「いろいろあったけど、それでも小沢首相というのを一度見てみたかったから」 と答えた。
 この代表選では菅さんが勝った。
 その翌年、菅さん退陣後の代表選で小沢さんは再び 「影」 に戻り、海江田万里さんを立て、野田佳彦さんと戦ったが負けた。

 小沢さんは結局一度しか 「ひなた」 には出てこなかった。
 この後の民主党政権は菅内閣も野田内閣も、参院で過半数を持たない、非常に弱い政権だった。
 今後小沢さんが首相になることはもうないだろう。
 今にして思えば細野さんの言うように 「一度小沢首相を見てみたかった」 気もするのだ。


無名の人を神輿に担いで首相にする小沢氏の技

 平成23年(2011年)9月、野田佳彦さんが海江田万里さんを代表選で接戦で破り、民主党政権3人目の首相になった。

 前任の菅直人さんは就任直後の参院選で惨敗し、過半数を失った時点で、1年位しかもたないと見られていたので、野田さんへの交代は妥当だった。 驚きだったのはそれまで首相候補に名前が挙がったことのない海江田さんに、野田さんが危うく負けそうになったことだった。

 勝負はキャスティングボートを握った鹿野道彦農水相が、決選投票の直前に野田氏支持を決断、事前に決めていた 「野田支持なら背広を脱ぐ」 という約束通り、グループの30人にわかるように上着を脱いで、30人は野田氏に投票し、海江田氏は惜敗した。

 無名の人を神輿に担いで首相にし、世間をあっと言わせるのは小沢一郎さんの得意技で、これまで無名だった2人(海部俊樹、細川護熙)を首相にしている。 そして自分は 「影」 の首相として 「ひなた」 の首相を繰るのだ。

 これについて、 「神輿は軽くてパーがいい」 と小沢さんが言ったという噂があったが、それは間違いで、小沢さんの側近が言ったというのが真相らしい。


代表選からしばらくたって海江田さんに

 「あの時もしかしたら首相になれたかもしれなかったけど、どんな気持ちでした?」 と聞いてみた。

 海江田さんは、「あれよあれよと言う間に代表候補に押し上げられて、いい勝負だったし、このまま首相になるのかなと思ったら実は怖かった」 と照れ臭そうに答えた。

 この時の小沢さんの作戦は失敗に終わったが、民主党政権は代表選一つとってもこれまでの自民党政権にはない面白さ、悪くいえば危うさ、があった。

 ただ面白いうちはいいのだが、さんざん期待させといて裏切られると、可愛さ余って憎さ百倍で、国民の怒りは爆発する。 爆発が繰り返し起こると、政権は崩壊するのだ。
 そして民主党政権は政権崩壊につながる時限爆弾があちこちに埋まっていた。

 僕の出演していた 「新報道2001」 は日曜朝の政治討論番組だったのだが、民主党政権下で比較的安定していた番組視聴率は、実は安倍政権になってからなぜか少しずつ下がり始めた。

 猪瀬、舛添、小池と続いた 「都庁劇場」 や、北朝鮮の核ミサイル開発、トランプ登場など、いくつか視聴者の興味を引く政治ニュースはあった。 しかし肝心の国政は安定するとともに視聴者の関心を失ったのか、視聴率は思わしくないままで、結局2018年3月に番組は打ち切りになってしまった。


鳩山氏が自ら仕掛けた時限爆弾

 国民は政治が心配だとテレビの政治討論番組を見たくなる。 逆に政治が安定すると安心して見なくなるのだろうか。 特に民主党政権は政権への期待が大きかった分だけ、裏切られたという思いが強く、 「民主党政権がまたこんなへまをやらかした」 と怒りながらテレビを見るのだ。

 鳩山首相は 「普天間移設は最低でも県外」 という時限爆弾を自ら仕掛けてしまったが、他にもマニフェストには 「子ども手当一人26000円」 とか 「高速道路無料化」 など、できもしない公約が景気よく羅列され、これらもすべて時限爆弾だった。

 それぞれの公約が実現不可能になった時に爆弾は爆発する。 番組制作側は 「普天間の爆弾はいつ爆発する」 「子ども手当はいつ」 と、事前に爆発の時期が大体わかるので番組を作るのもラクだった。


テレビを使った革命 「事業仕分け」

 民主党政権で 「テレビ的」 に最も面白かったことの一つが 「事業仕分け」 だった。
 これはマニフェストにも書かれていたが、自民党と官僚が作り上げてきた無駄な予算をバッサリ切って、国民が本当に必要なものに予算を使おうという、実現すれば素晴らしい試みだった。

 実際に事業仕分けはテレビで見ていて抜群に面白かった。 特に 「女性教育会館」 という施設の女性理事長を、蓮舫さんが問い詰めた時は圧巻だった。 プールやテニスコートなど豪華な施設があり、理事長の給与も高額だ。 問い詰められた白髪の理事長は逆上して、 「私の話も聞いてください!」 と叫んでしまった。 誰が見ても蓮舫さんの方が正しいのは明らかだった。

 しかもこれらをテレビ局が繰り返し放送する。 テレビを使った革命だ、と思った。

 事業仕分けでこの女性教育会館は大幅な予算削減と認定された。 ここまでは良かった。 しかしその後の予算編成ではなぜかほぼ全額が復活してしまった。 教育関係者や官僚が巻き返した、と言われている。

 なんなんだこれは? と思った。 民主党の政治家が官僚を叱って予算の無駄を正す。 国民はその通りだと喝さいを送る。 しかしその後の予算編成では、同じ民主党の政治家がその予算を復活させるのだ。
 これはダメだ。 時限爆弾が一つ爆発した。

 事業仕分けは行政にいかに無駄があるのかを国民に知らしめた。 自民党ではなく民主党にしかできない問題提起だった。 これだけでも政権交代した意義はあったと僕は思う。 ただ残念ながら、せっかく見つけた無駄を切ることができなかった。 これは致命的だった。 できないのだったら最初から問題提起などしない方がまだましなのだ

 蓮舫さんはメディアに 「仕分けの女王」 ともてはやされたが、その後失敗の責任をすべて押し付けられたのはかわいそうだった。 悪いのは予算の復活を許した文科相であり財務相であり、首相なのだ。 民主党政権ではこのように、起案と初動は素晴らしいのに、最後の詰めが甘いケースが多かった。


マニフェストと子ども手当

 有名な子ども手当は月26000円で、所得制限なしというのが選挙前のマニフェストの殺し文句だった。 これはウケるだろうなと思った。 知り合いの著名な女性ジャーナリストが、 「私、子ども手当がいいと思うから民主党に投票する!」 と言うのを聞いて、ほら来た、と思った。

 また先輩男性記者も、 「俺、政権交代に参加したいから今回は民主党に入れる」 と言うのを聞いて驚いた。 僕には民主党のマニフェストは多くが財源があいまいで、実現可能には思えなかったからだ。

 子ども手当は、当初民主党が財源に入れていた配偶者控除廃止を、政権を取った後に撤回。 さらに参院で過半数を失ったため野党自民党の言い分を聞かざるを得ず、子ども手当という名称は児童手当に戻され、所得制限もつけ、さらに額も26000円の半分の13000円にしてようやく実現した。

 しかしそれはもうマニフェストの子ども手当とは全く別のものになっていた。 子ども手当は実現しなかったのだ。 マニフェストは嘘だったのだ。 そして辺野古移設と子ども手当の失敗をもって、民主党政権そのものが失敗とみなされたのだった。

 自民党の安倍政権は2017年の総選挙で幼児教育の無償化を打ち出した。 当時の民進党・前原誠司代表のアイデアを盗んだ、と批判された。

 「改正子ども子育て支援法」 は5月上旬に成立し、10月から幼児教育は無償化されることになる。

 僕の娘は認可保育園に通っている。 娘の保育料月額26000円も無償化される。
 「これ、子ども手当じゃないか!」と思った。
 26000円というのは、民主党政権が09年総選挙のマニフェストで掲げた、子ども手当と同じ額なのだ。
 しかも所得制限がないというのも同じ。 あれから10年がたち、政権も自民に移ったが、子供を持つ家庭は月26000円の補助を受けることになる。 不思議なめぐりあわせだと思った。

 もちろん子ども手当は中学卒業まで、幼保無償化は小学校に上がるまで、という違いはあるのだが、子を持つ親にとっての気分は同じだ。

 これについて旧民主党の人達の中に 「富裕層を利することになるので所得制限をつけろ」 と言ってる人がいて笑ってしまった。 だって子ども手当の時は所得制限なしで月26000円くれるとあんたたち言ってたじゃないか!

 公平を期すなら自民党に対しては、子ども手当の時は所得制限をつけろとあんたたち言ってたじゃないか、と言わねばならないが。

 前原さんは 「安倍さんにアイデアを盗られた」 と怒っていたが、これが彼らの本音だろう。 つまり民主党の10年前のマニフェストは実は間違っていなかったのではないか。 ただウブだったのでうまく結果に結び付けられなかっただけなのだ。 そして皮肉なことに後継の自民党政権がそれを受け継いで、悪く言えば盗んで、政策として実現してしまった。

 もしかしたら10年前は子供一人に月26000円の税金を使うというアイデアに、国民はなんとなく 「いいなあ」 と思うだけで、まだきちんとしたコンセンサスができてなかったのかもしれない。 10年という年月が子ども手当の実現を可能にしたのではないか。

 民主党には政策立案能力はあったがそれを実現できなかった。 自民党にはオリジナリティーはないが、政策を実現する力はあった。 欧米では2大政党または2大勢力が大体5年~10年毎に政権交代するが、交代で世間が混乱しないよう、重要政策は野党の意見を聞いて法案を修正する。 与野党が協力して長い時間をかけてその国の法律を作っていく。

 安倍政権は野党が分裂したこともあって自民一強になったため、法案の修正が行われない。 これに野党や、その支持者が苛立っている。

 子ども手当から幼児教育無償化までの流れを見ると、悪い言い方をすれば、 「安倍政権の幼保無償化は、民主党政権の子ども手当のパクリだ」 ということになる。

 だが好意的に見れば、実は今の日本の与野党は、相手の法律をつぶしたり、パクったりしながらも、結果的に協力して法律を作っているという不思議な関係なのではないだろうか。

 であれば民主党政権というのは安倍さんが言うような悪夢ではなかったのかもしれない。


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